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ミステリの祭典

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この謎が解けるか?鮎川哲也からの挑戦状2

作家 鮎川哲也
出版日2012年02月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 HORNET
(2020/10/04 11:42登録)
 昭和前半の、テレビドラマの匂いがぷんぷんするシナリオで、それだけで結構興趣をそそられる。
 一般視聴者を対象にしたエンタメなので、小説で展開するような精緻な仕掛けは望むべくもないが、短いタームで確実にヒントを示して唯一無二の解答を引き出せるようにするというのはむしろ別の意味でハードルが高いかもしれない。
 一話目の「おかめ・ひょっとこ・般若の面」は、文章では分かりようがない(?)気がしたが、概ね楽しめた。犯人の失言が解明のもとになる「制服の少女」「騎士と僧正」などは、謎解きドラマ的には面白かったんじゃないかな。

No.1 5点 kanamori
(2012/05/02 20:19登録)
昭和30年代にNHKで放映されたドラマ形式の推理クイズ番組「私だけが知っている」のシナリオ集第2弾。
その後に自身の作品でアイデアが再利用されたものが含まれているため既読感もあるが、鮎哲ファンなら楽しめる。

「おかめ・ひょっとこ・般若の面」は、星影ものの長編ほか何度か使われた得意の誤認トリックでまずまずかな。「制服の乙女」は”失言”によって犯人を特定するパターン、「観山荘事件」は人物の特性をきっかけに犯人のミスを暴くパターンで、これはともに簡単すぎるか。
「青嵐荘事件」が良く出来た犯人当て。動機と犯行機会の2つのファクターで容疑者を一覧表分析したうえで盲点を突いた形。犯人の失言も”たしかに言われてみれば....”というもの。

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