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ミステリの祭典

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誰がための刃 レゾンデートル
改題『レゾンデートル』

作家 知念実希人
出版日2012年04月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 3点 ボナンザ
(2024/11/09 21:26登録)
重い設定だけど読了感は結構さわやか。ミステリ要素はそんなにない。

No.1 6点
(2014/12/21 22:21登録)
サブタイトルの「レゾンデートル」(raison d’être)とは存在理由のこと。主人公の医師は末期癌で、自分が生きる理由についての意識変遷が一つの軸になっているとは言えますが、深刻さよりもアクション・エンタメとして楽しめる作品です。
それにもかかわらず、本作が本格派系ミステリ賞であるばらのまち福山ミステリー文学新人賞を受賞したのは、結局はこの賞でも謎解きの意外性より小説としての完成度の方が優先されたということでしょう。島田荘司は選評で、本作の「本格」性についてかなり無理やりなことを書いていますが、そこまでこだわらなくても面白ければ、という気はします。実際のところ、謎解き的には誰でも早い段階で切り裂きジャックがどんな人物かは気づくでしょうし、ペンダントの秘密もどうということはありません。
ギャル曽根をも思わせる(作者も意識はしたのかな)ほどの大食いヒロイン設定には、苦笑させられました。

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