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ミステリの祭典

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四国周遊殺人連鎖
氏家周一郎シリーズ

作家 中町信
出版日1989年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2020/11/10 22:33登録)
(ネタバレなしです) 1989年発表の氏家周一郎シリーズ第3作の本格派推理小説です。タイトル通り四国の観光名所を転々としながら事件が続発するプロットですが、旅情を全く排して謎解きに特化しているのがこの作者らしいですね。子供の誘拐や過去のひき逃げ事件の目撃や不倫関係なども見え隠れする複雑なプロットです。氏家早苗のにぎやかワトソンぶりも相変わらずですが、本書では周一郎が謎解きに苦戦していることもあって早苗の推理がそれなりにまともに見えてますね。作者は伏線に配慮したとコメントしていますが、メッセージの解釈が中心を占める推理なので鮮やかな切れ味は感じられませんでした。

No.1 5点 kanamori
(2012/06/13 22:28登録)
推理作家・氏家周一郎&早苗夫婦が旅行先で連続殺人事件に巻き込まれるシリーズの3作目。

恒例のいわくありげなプロローグこそないものの、事件の背景にある誘拐事件と轢き逃げ事件の関係者がなぜか全員ツアーに参加していたり、添乗員が殺されても「このまま、旅行スケジュールを消化してもらいたいものですな」という警察の不自然な対応など、ご都合主義全開でB級感漂ういつもながらの中町ミステリです。
とはいっても、犯行動機をミスリードする手際は今回も見事で、この騙しのテクニックだけは侮れません。

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