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ミステリの祭典

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修道院の第二の殺人
ジェレミー・ファロ警部補シリーズ

作家 アランナ・ナイト
出版日2012年03月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2016/03/29 19:25登録)
(ネタバレなしです) 英国の女性作家アランナ・ナイト(1923年生まれ)は歴史小説やノンフィクション、ロマンチック・スリラーなど様々なジャンルの作品を書いていますが、1988年発表の本書を第1作とするジェレミー・ファロシリーズには特に力を入れているように思います。ヴィクトリア朝の英国を舞台にした本格派推理小説ですが延々と手掛かり捜査しているプロットがやや単調に感じられますし、いくつかの謎解き伏線はあるものの犯人が指摘されてから初めて動機がわかるという結末にも不満を覚えます。淡々とした筋運びですが締め括りは結構劇的です。

No.1 6点 kanamori
(2012/11/21 12:26登録)
ヴィクトリア朝時代のエジンバラを舞台にした歴史ミステリ、ジェレミー・ファロ警部補シリーズの第1作です。

文章が軽快で、歴史ミステリといっても堅苦しい感じがないのでスイスイと読めました。
冤罪と思われる殺人事件の非公式の再捜査というメインプロットの合間にはさまれるエピソード、シェイクスピア観劇やファロ警部補のラブ・ロマンスが巧い伏線になっています。ただ、犯人の動機は情報不足ではと思いましたが。
本書の魅力は、やもめのファロ警部補と義理の息子で若手医師のヴィンスを取り巻く個性豊かな登場人物たちでしょう(真犯人まで魅力的なのです)。第1作のため誰がレギュラーなのか分からないという利点があって、それが結末の意外性に寄与しているように思います。

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