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ミステリの祭典

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エーリアン殺人事件

作家 栗本薫
出版日1981年06月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 虫暮部
(2024/07/05 12:34登録)
 うーむ。確かにフェアプレイだ。全ての謎はとけ、私の頭も溶けた。

 エーリアン餡を抜いたら良く切れる。
 エーリアン営利抜いたら赤毛の子。
 日の本じゃ絵には描けないその姿。
 あの豹とどっちが強いエーリアン。
 異世界でグインが胸を撫で下ろし。
 今も尚ねずみ算式ペリー・ローダン。
 えいり庵 隣に建つは伊集院。
 著者近影 中島梓に良く似てる。
 SFやモブの命の安さかな。
 年ふれば宇宙に吠え~るエーリアン。しまったネタバレ。

No.1 7点 おっさん
(2012/02/17 11:43登録)
地球を離れること、何万光年。
巨大貨物船シーラカンス号は、遭難した宇宙船を救助する。
しかし、そのベム捕獲請負業者の持ち船には、凶暴なエーリアンが収容されていたのだ。シーラカンスに侵入を果たした異形の怪物による、殺戮が始まった!
しかし。
無理矢理、捜索隊長に任命されたアル中の二等宙航士ルーク・ジョニーウォーカーは叫ぶ。「ただのエーリアン退治だと思ってたのに、どんどん謎が深まるばっかりで――こ、これじゃあ、まるで本格ミステリーじゃないか」
ところが、その当のエーリアンが何者かによって殺されてしまい・・・ついに名探偵として覚醒するルーク。
その意外な推理の果てに待ち受けるものは――「史上最大のご都合主義のエピローグ」だったwww

いや~、こんなの取り上げていいのかしらん。
栗本薫の、昭和56年(1981年)度作品にして、懐かしのハチャハチャSF(死語? 命名者・小松左京。ダジャレ、楽屋落ち、パロディ等の連鎖で繰り広げられる、お笑い系SF)です。
昔は莫迦にしてスルーしていた本作を、まあ、この機会にと読んでみたら・・・そのー、なんだ、面白かったの。
バカSFが、いちどは本格ミステリ的に(いちおう常識の範疇で)終息しそうになって、そこからバーンとはじけて非常識の領域へ飛び出す、その、思わず「そんなアホな」と言いたくなる演出がツボにはまったわけで。
じつはまったくミステリじゃないんだけど、この遊びを面白がるミステリ・ファンは必ずいる――はず。多分。いや、いたらいいな、と。
ぶっちゃけ、“その世代むけ”のギャグのオンパレードは読者を選びますが、たとえば

 「不運な男よのう」
 オビワン・ヘノービが重々しく言った。
 「つくづくと凶運のもとに生まれておると見える。もしや、何代前かのご先祖に、諸星あたるという日本人がいたのではないかな、少年よ」

といったくだりにニヤリとできる向きは、騙されたと思って手にとってみて下さい(あ、あともしアナタが下ネタに抵抗がなければ、ですがw)。
品性を疑われないように(手遅れか)いちおう7点にとどめましたが、シリアスなミステリではマイナス要因だった栗本薫のアバウトさが、この手の野放図なストーリーでは笑いに転じており、個人的には、これは拾い物でした。

雑誌『野性時代』に連載されたあと、角川書店で単行本化され、やがて角川文庫入り、のちハルキ文庫版も出ているようですが、筆者が読んだ角川文庫版は、マンガ家・高信太郎によるカバー・イラストと解説(映画解説者だった、故・淀川長治氏の、あの不滅の解説口調のパロディ)が絶品なので、もし、本作にトライしてみようかと思われたら、そちらを探されることをお勧めします。

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