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ミステリの祭典

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作家 乃南アサ
出版日1992年01月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 3点 E-BANKER
(2012/12/14 21:34登録)
1992年発表。作者の長編7作目が本作。
作者の代表作とも言える「凍える牙」は警察小説的カラーだが、本作はかなり趣の異なる作品。

~高校2年生の麻里子のカバンに、知らぬ間にひとつの鍵が押しこめられた・・・。近所で連続して起きる通り魔事件はついに殺人までエスカレート。父親も母親もいなくなった障害を持つ女子高生と、その面倒を見なければいけなくなった兄と姉との心の通い合いを見事に描いた、直木賞作家が贈る名作ミステリー~

これは・・・ひとことで言えば「面白くない」。
自宅の周辺で続発する通り魔事件は犯人の死亡という形であっけなく終了したかに見えたが、再び通り魔が現れ、しかも殺人事件まで発生してしまう。
そして、事件のカギを握るのが主人公の女子高生がひょんなことから持たされた一本の「鍵」・・・
ただし、通り魔事件も殺人事件も決して本作の主題ではない。
本作のテーマは両親を亡くした三兄妹の心の通い合いなのだ。

確かにハートウオーミングな雰囲気は悪くないのだが、如何せんミステリーとしては中途半端感が著しい。
ラストに意外な犯人が判明するのだが、これはあまりに唐突すぎだろうし、読者としては目で追っていくしかない。
まぁ、別に本格ミステリーを志向している訳じゃないから、これでいいんじゃない、と言われればそれまでだが、面白いと思えなければどうしようもない。

ということで、評価は当然この程度に落ち着く。
(ただ、「凍える牙」は未読なので、今度読んでみよう・・・)

No.1 4点 蟷螂の斧
(2012/01/10 21:27登録)
偏見かもしれませんが、「人間を描きたい」と言っている作者の作品は、ミステリーとしても小説としてもあまり面白くありません。他の何人かの作者も同様な感じで、心をうたれる作品には、まだ出会っていません。本作は兄妹愛を描こうとしているのですが・・・

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