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ミステリの祭典

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さよならファントム

作家 黒田研二
出版日2011年12月
平均点7.50点
書評数2人

No.2 7点 人並由真
(2018/06/23 21:25登録)
(ネタバレなし)
 8点をつけられた蟷螂の斧さんのレビューに興味を惹かれて、読んでみました。
 序盤から始まる主人公の最大級の逆境は、最終的に(中略)とはもちろん予想がつくものの、じゃあどういう道筋を立てるんだろう……と思いきや、なるほど、こう来たか! という感じであった。一級のサプライズの開陳と同時に、キーパーソンがなぜそうしたかのホワイダニットにもいっきにカタをつける手際がお見事。
 フーダニットの方もなかなか面白い仕掛けがしてあり、あとからポイントとなるシーンを読み返すとニヤリとすることしきり。
 まあ205ページ前後の奇妙な状況の謎解きばかりはやや無理がある、という思いもするけれど、これだけおもちゃ箱をひっくり返したようなギミック満載の作品の中には、これひとつくらいトっぽいのがあってもいいでしょう(笑)。
 終盤の主人公が(中略)を経て新たな道に踏み出すあたりは、手塚漫画か藤子・F作品の名編のような感慨であった。

No.1 8点 蟷螂の斧
(2013/07/30 12:01登録)
妻を絞殺した、自殺願望のピアニストが主人公です。主人公には、熊のぬいぐるみの死神がつきまとうという、ちょっとファンタジーっぽい物語であるという感じもします。しかし著者の、これはファンタジーではないという断り書きがついています。死に場所を求め、謎の美少女との逃避行が始まり、連続爆破事件を絡め物語は進行します。ラストでは、元Jリーガーのエピソードを含め、ちょっとした感動が待ち受けていました。サッカー大好き人間のためか・・・(笑)。ラストの反転(トリック)は、同一前例はないと思いますので高評価をつけたいと思います。

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