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ミステリの祭典

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心に雹の降りしきる

作家 香納諒一
出版日2011年09月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 6点 makomako
(2018/05/05 17:15登録)
色々な事件が起き、二転三転どころではない展開があるが、推理の要素はあまりなくハードボイルド警察小説というところでしょうか。
 こんな警官は許されるのかなあとも思いますが、まあ、ありということで読まないとやってられないかも。
 お話が二転三転するうちに犯人もいろいろ見つかり、でもなかなか真の解決ではない。サービスてんこ盛りというより詰め込み過ぎというべきと感じました。
 主人公があまり好きではない。ことにはじめのうちはいやなやつ。ここで読むのやめようかと思うほど。でもこの手の小説は読んでいくと普通はああいいやつなんだと思えてくるのですが、それがなかなか思えない。警官が唯一頼っている被害者から金を巻き上げるなんて最低。後でいくら良いように描いてもこんな最低のことをするようではしょせんダメでしょう。

No.1 7点
(2014/06/28 16:28登録)
本作の舞台は山下県。その架空の県名は殺人(むしろ傷害致死?)事件が発生してからしばらくして、さりげなく紹介されます。主役は県警のはぐれ刑事都筑で、その一人称形式で話は語られていきます。
警察小説と紹介されることも多いようですが、個人的には、このジャンルは三人称で警察官たちの捜査過程を客観的に描いていくのが基本形式と考えていますので、本作はやはり違うかなと。一方雰囲気からすれば、地味な捜査の前半からハードボイルドであるのは間違いありません。
後半になって都筑刑事が何度も窮地に陥り、傷だらけになりながらも事件すべてを解決するのは、ホントにお疲れ様ですという感じです。最後に実際に雹が降る場面とその後のエピローグの感動でつい絶賛したくもなってしまうのですが、様々な事件を詰め込み過ぎで、具体的な細部が説明されていないところがいくつかあったので、とりあえずこの点数。

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