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ミステリの祭典

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湖畔に消えた婚約者

作家 エド・マクベイン
出版日2001年11月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 E-BANKER
(2016/02/21 17:47登録)
作者がリチャード・マーステン名義で1957年に発表した初期長編。
著名な87分署シリーズ以外の作品というのが珍しく貴重な作品。

~婚約者とともに休暇旅行に出たフィルは、湖畔のモーテルで信じられない事件に遭遇する。深夜、人気のない隣室との壁から血が滲み出し、それと同時に別室に泊まっていた婚約者が荷物ごと消えてしまったのだ! 彼女がいたはずの部屋には他の宿泊客がおり、しかも出会ったすべての人がフィルは女性など連れていなかったと証言する・・・。いったい何が起きているのか? そして恋人はどこに消えたのか?~

短いながら、なかなかよくまとまっている良質なサスペンス。
さすが巨匠マクベイン・・・っていう感じなのだ。
特に紹介文のとおり、謎の提示が魅力的。
モーテルどころか、街全体に漂う暗い影と謎に包まれた雰囲気・・・
主人公であるフィルは刑事という権力ある存在なのだが、管轄外という縛りのなか苦しい戦いを強いられる。

ただしプロットはそんなに複雑なわけではなく、ひとりの女性の存在が明らかとなる中盤には大方の真相には察しがついてしまう。
この「女性」がなかなかのキャラ!
男を手玉に取り、簡単に篭絡してしまう凄腕なのだ。
伏線も最後にはきれいに回収されるし、とにかく最後までまとまりの良さが目立つ作品だった。

まとまりすぎてるところが逆に物足りなさにつながるかもしれないけど、時代性を考えれば仕方の無いところ。
そのリーダビリティを堪能すべきだろう。
評点はまァこんなもの。
(主人公を助けに来たのはいいが、なぜかヘビに噛まれて退散してしまう同僚の刑事・・・なかなかマヌケ!)

No.1 6点 あびびび
(2011/09/07 16:34登録)
マクベイン初期の作とある。婚前旅行にとなりの州に出かけた若き刑事とその婚約者。途中、パトロール警官に疑惑のスピード違反で署に引っ張られるなどのアクシデントがあり、目指す湖畔のモーテルには夜半に到着。

そこでシャワーを浴びている間に婚約者が消え、モーテルの経営者に事情を話すと、「最初からあなたはひとりだった」という。そこから無力に等しき捜査が始まるが…。

結末はたいしたことがなかったが、途中はグイグイ引っ張られる。あっという間に読み切ってしまった。

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