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ミステリの祭典

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道化者の死
アーサー・ハッチ&ジョン・ヒューゴー

作家 アラン・グリーン
出版日1955年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 kanamori
(2015/04/20 21:29登録)
人気喜劇役者のジュニア・ワトキンスが、密室状況のホテルの部屋で額に銃弾を受けた死体で発見される。折からの猛吹雪で外界から孤立し警察に通報がかなわない状況下、ホテル支配人のアーサー・ハッチは、コメディアン一座の関係者たちを相手に素人探偵に乗り出す--------。

「くたばれ健康法!」のアーサー・ハッチとジョン・ヒューゴーのコンビ?が再登場するシリーズの第2弾。
ドタバタ劇風のユーモア・ミステリだった前作とはやや趣が異なり、警察を辞めホテルの従業員になっているヒューゴーがほとんど活躍せず、ハッチを探偵役にしたオーソドックスなフーダニットになっています。
ハッチが12項目の疑問点を挙げ、真相に迫っていく終盤は盛り上がりますが、演芸関係者に対する聞き取り調査がつづく中盤の展開がちょっと平板に感じました。犯行動機や、事件の裏の構図は上手く隠されていると思いますが、ワトキンスの閉所恐怖症という要素があまり活かされていないですし、”犯人”が現場を密室にした理由がよく分からないなど、細かい疑問点も気になります。

No.1 6点 nukkam
(2011/09/06 19:01登録)
(ネタバレなしです) 1952年発表の本書はユーモア本格派の大傑作「くたばれ健康法!」(1949年)の続編的な本格派推理小説です。謎解きプロットはしっかりしていて推理も丁寧と水準点には十分達しています。とはいえ物語のテンポは前作とは天と地との違いがあります。勢いのよかった前作と比べて本書では容疑者がやたらと捜査に非協力的なのでリズムが停滞気味です(前作の方がご都合主義的だと批判することも可能でしょうけど)。ユーモアも単発的で、セントバーナ-ド犬という秀逸な小道具もやや空回り気味です。

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