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ミステリの祭典

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青の寝室 激情に憑かれた愛人たち

作家 ジョルジュ・シムノン
出版日2011年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2011/08/01 20:46登録)
シムノンは「私の小説の筋はひどくお粗末なこともある」と自分で言ったこともあるくらいで、純文学系作品のプロットは単純ストレートなことが多いのですが、本作は珍しく技巧派ミステリ的な構造をもっています。もちろん純文学系作品ですから、主人公トニーの行動や心情がじっくり描かれていて、むしろそこが読みどころではあるのですが。
冒頭から、トニーが逮捕され尋問を受けることは読者に知らされます。しかし何の罪で? この疑問に対する答が明らかになるのは、終盤になってからです。それまでは罪状を隠したまま、主として予審判事による尋問が描かれていくのです。誰が殺したのかはフーダニット、どうやってはハウダニット、ではこんなタイプは何と呼べばいいのでしょう。
ただ残念なことに、本書カバーやWEB等に書かれているあらすじ・作品内容は、その謎に対する答の重要部分をばらしてしまっているのです。ネタバレしているからといって読む価値が半減するような作品では決してないのですが、それでも。

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