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ミステリの祭典

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スリー・パインズ村の不思議な事件
ガマシュ警部シリーズ

作家 ルイーズ・ペニー
出版日2008年07月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 nukkam
(2012/08/13 17:58登録)
(ネタバレなしです) ルイーズ・ペニー(1958年生まれ)はカナダ人の女性作家で2005年発表のガマシュ警部シリーズ第1作である本書でミステリー界にデビューし、レジナルド・ヒルやピーター・ラヴゼイから好意的なコメントを寄せられています。このシリーズは一時期コージー派ミステリーであるかのように紹介されたこともあったような記憶がありますが、どうしてそうなってしまったのでしょうか?キャロライン・グレアムの傑作「蘭の告発」(1987年)に雰囲気の近い本格派推理小説で登場人物の心理を非常に丁寧に描き、平和で静かな世界の秘められた悪意をガマシュ警部が追求するプロットになっています。謎解き伏線もしっかり張っており、なかなかユニークな手掛かりが印象的です。ガマシュ警部も十分に活躍していますが、もう1人名探偵にふさわしい推理をした人がいましたね。

No.1 6点 kanamori
(2011/05/30 17:44登録)
カナダ・ケベック州のスリー・パインズという片田舎の小村を舞台にした本格ミステリ、ガマシュ警部シリーズの第1作。

アガサ賞作家だから何となく”お茶とケーキ”派のミステリかと思っていましたが、ガマシュを中心とした捜査チームの警察小説的な味わいもあります。自己主張の強い上昇志向の新米女性刑事が問題児でいいアクセントになっている。
森の中で元教師の老女が狩猟弓矢で殺された事件の物語のほうは、複数の村人たちの内面描写が頻繁に挿入され、なかなかストーリーが進展しないので終盤近くまで乗り切れなかった。次作に期待しよう。

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