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ミステリの祭典

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古畑任三郎―殺人事件ファイル
ドラマ・ノベライズ

作家 三谷幸喜
出版日1994年06月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 6点 大泉耕作
(2011/04/13 14:42登録)
読んでいるとスラスラ読め、なおかつ小説はドラマとはいくらか違っているのでオリジナルのようにも思える。
「殺しのファックス」では今泉のコートではなくハエがヒントになっており、『殺人公開放送』だと黒田青年の相手の博士が古畑と電話で話して行く。
どの回も約五十ページで終るので毎晩、一話ずつ、最後の二話は一晩で読み終わった。
ドラマを見ても良いが、最後の余韻を楽しみたいのならこちらをお勧めする。しかし、今泉が出てこないのと、古畑の影が薄くて、しかも、犯人に不利になるようなことしか言わないので、ミステリを見たいのならドラマで。あくまでもこれは犯人側の視点で古畑という刑事が犯人のちょっとしたヘマや知らなかったことを指摘して大いに焦りを感じるというのが主題のようなものであった。
しかし・・・、やっぱり読んでいると刑事コロンボかな。

No.2 5点 ダービー
(2011/03/02 20:18登録)
確かにミステリーという広大な視野の中で、それを評価され、楽しむのは素晴らしい事だとは思いますが、テレビドラマで脚色され、方向性のちがうミステリになっている物件をここで出されても…。

あくまでも原作を読み、そのあとでテレビ、映画の評価とされた順の方がそのご意見を興味深く読めるのではないかと思います。

人それぞれの生活スタイルというものはありますが、このサイトを本当に頼りにしているものにとっては…。活字の中の神秘を信じています。

No.1 6点 江守森江
(2011/03/01 14:53登録)
刑事コロンボから設定をパクリ、鮎川哲也原作の倒叙短編と混ぜ合わせた幻の倒叙ミステリ・ドラマ「チェックメイト’78」(松方弘樹主演)が不発でブームにならなかったので、今では倒叙ミステリと言えばコロンボ・古畑・福家(←これは大倉ファンだけ)となっている。
三谷幸喜はリンク&レビンソンの企画アイデアな「刑事コロンボ」から倒叙を「ドラマ版エラリー・クイーン」から解決編前の視聴者への問い掛けを綺麗にパクった。
それでも一番のヒット要因は主演の田村正和と助演の西村雅彦だろう。
さて本題に入ろう。
本作は最初のドラマ・シリーズ「警部補・古畑任三郎」の小説版だがドラマ版(12エピ)から2エピソードを削り、放映順から時系列順に並べ替えられている。
それだけなら出版意義は薄いし、ドラマを観れば良いのだが、ドラマ視聴からの問題指摘に対応しての書き直しと、今泉をカットしてまで犯人側から描き切りドラマ版とは違った面白さを加えている。
脚本家自らノベライズも書く辺りは三谷幸喜らしいのだが、その為(忙し過ぎて)以降のシーズンはノベライズされる気配すらなく非常に残念。
※補足
因みに文庫版は分冊されているが同内容。
また、本シリーズの原作は小説(つまり本書)では無くドラマ(脚本)の方なので視聴後にどう手直しや改変したのかを楽しむのが正規な順序。
※ミステリを楽しむ姿勢はプロフィールに明記した通りなので主張(嗜好)が合わない方は私の書評はスルーして下さい。
また、主張(嗜好)に関する言及は御勘弁下さい。

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