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ミステリの祭典

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罪深き絆
リンリー警部

作家 エリザベス・ジョージ
出版日1996年04月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 4点 nukkam
(2023/05/16 07:55登録)
(ネタバレなしです) これまでに出版された作品も十分に長大で重厚な本格派推理小説でしたが、1993年発表のリンリー警部シリーズ第6作の本書はハヤカワ文庫版で上下巻合わせて800ページを超す大作です。被害者が早々と殺され、事件関係者たちを丁寧に描くことによって被害者の人物像を浮かび上がらせるという点では従来の作風を踏襲してはいるのですが、本書の場合は被害者とのつながりが弱いようにしか感じられない人物が多くてミステリーとしては冗長に感じます。食べられる野草のつもりで毒草を食べたという事件なのですが、殺人だとすると食べさせる可能性のある人物が極めて限られている状況のため犯人当てとして楽しめる内容でもありません。終盤になって被害者が殺される理由がだんだんと見えてきますが、登場人物リストに載っていない名前が次々に出てくる謎解きも感心できませんでした。

No.1 4点 江守森江
(2011/02/18 07:44登録)
昨日のAXNミステリー「リンリー警部」再放送エピソードの原作は本作。
しかしドラマのエピソード・タイトルが「消えた子供」で原作には「消された子供」なんてタイトルもあるから間違えそうになった。
きっちりタイトル通りな結末になるから問題はないのかもしれないが原作そのままのタイトルでドラマ制作してほしいものだ。
田舎に牧師に宗教嫌い?に毒ニンジン。
ドラマを観て定番設定とナメたら痛い目をみる事請け合いな文庫上下巻合わせ840ページのボリュームで、おさらい読書すら非常にシンドイ。
ミステリー的骨格はドラマも原作も一緒だが、ドラマはボリュームの関係で端折りが顕著だし、逆に原作はミッチリ描かれ過ぎで疲れるし、作者もドラマ制作者も程々と言う言葉を知らないかの様だ!
私は楽なドラマ優先だが普通な一般の方々も私同様な事は、ドラマがシーズン3まで放送されたのに対し原作がシーズン1のエピソード分以降翻訳されていない(つまりは売れていない)事が証明している。
普通ならドラマとの相乗効果で原作も売れるのだろうが、本シリーズの原作は単なるドラマ好き(風景や役者を楽しむ傾向大)にはボリュームがあり過ぎる。
それでも図書館には全作揃っているから出版社には必要不可欠な一番のお得意様だと分かった(←これが本書一番の感想)

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