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ミステリの祭典

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名門校 殺人のルール
リンリー警部

作家 エリザベス・ジョージ
出版日1995年12月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 nukkam
(2016/07/18 18:43登録)
(ネタバレなしです) 全寮制の名門校から新入生が1人行方不明になったことに端を発する1990年発表のリンリー警部シリーズ第3作です。これはどう転んでも「痛々しい」結末しかありえないだろうという雰囲気が前半から漂っています。私は身構えて読んでしまったので結末の衝撃という点では「大いなる救い」(1988年)には一歩譲るように感じましたが本書も相当なものです。重厚さと読みやすさが両立するストーリー展開が見事だし、犯人探しの謎解きもきちんとやっています。サイドストーリーも本筋を邪魔しない範囲内で充実しており、特にハヴァーズ部長刑事は「逆境に負けるな」と応援したくなります。ドラマとして出来過ぎていて、これから子供を寮や寄宿舎に預けようかと検討している親にはちょっと勧めにくいかも。

No.1 6点 江守森江
(2011/02/11 22:40登録)
日本なら物理的に開かれながら心理的に閉ざされた閉鎖社会として真っ先に大相撲や競馬界が思い浮かぶが、英国ミステリーでは田舎の村か寄宿制の名門校が定番。
リンリー警部AXNミステリー昨日の放送エピソードは本作。
定番設定故に楽しめるからなのかリンリー警部シリーズで一番巷の評判が良い作品。
舞台設定は、日本なら灘かラサールあたりの寄宿制名門進学校に相当するが、英国での階級意識は学生の頃には確立していて日本の比ではない。
小さな閉鎖社会につき物な虐めに特異な人間関係による操りを絡め、定番設定に飽きるよりも逆に楽しめる。
複雑な人間関係の割に解決編の説明がアッサリ過ぎて一読で理解し辛いので先にドラマ視聴で良かった。
原作での容赦ない陰鬱描写は作者の特徴でシリーズ全般に言えるらしいのだが、今回はさほど気にならなかった。
※英国制作原作あり刑事ドラマの私的な順位
「ダルジール警視」>「フロスト警部」=「バーナビー警部」>>「リンリー警部」=「ダルグリッシュ警視」
「モース主任警部」「ルイス警部」はドラマを視聴していないので原作もドラマ視聴後のお楽しみとして保留中(←永遠にその時が来ないかもしれない)

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