ローラ殺人事件 |
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作家 | ヴェラ・キャスパリ |
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出版日 | 1955年03月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 3人 |
No.3 | 6点 | 人並由真 | |
(2020/04/17 02:59登録) (ネタバレなし) 1941年8月のニューヨーク。「私」こと52歳の巨匠評論家ワルドー・リデッカーの手記から、物語は開幕する。手記の中には、ワルドーが7~8年前からその才能を認めて後見してきた広告業界の才媛で、先日何者かによって殺害された女性ローラ・ハントについての出会いから今日までが語られていた。NY警察本部の若手捜査部長マーク・マックファーソンは、ローラの叔母スーザン(スー)・トレドウェル夫人や、ローラの婚約者で同僚でもあるシェルビー・ジョン・カーペンター、そしてくだんのワルドーにも接触。ローラ周辺の情報を集めていくが、やがて事件はあまりにも劇的な展開を見せた! 1942年のアメリカ作品。著者のヴェラ・キャスパリは処女作の本作以前から、シナリオライターとして活躍。ミステリ映画の脚本なども、ものにしていたようである。 本編は全部で長短五つのパートに分かれ、最初の章が前述のワルドーの手記、次の章が二人目の「私」となった青年刑事マックファーソンの視点から語られる、そして……と、順々に話者や記録の形式が交代・変遷する構成。 こんな流れの途中で、相当のサプライズが用意されている。 それがどんなショックかは、先にレビューをされたお二人に倣って評者も絶対に具体的には書かないが、実は自分の場合は少年時代に読んだミステリマガジンのバックナンバーで目にした某記事で教えられてしまっていた(涙)。とはいえよくあることだけど、本作に際しては自分の場合、そのネタバレを聞いて「え、なにそれ、面白そう!」とむしろ興味を煽られたんだけど(笑・まあ中盤の仕掛けだしね)。 しかし、そのショッキングな中盤の山場を経た後半のストーリーが、古い翻訳の読みにくさもあって本当にタイクツ……。 それでもなんとか最後まで読むと、実はなかなかトリッキィな作品だと思い知らされて(たぶん誰も指摘していないだろうけど、海外の某パズラー系の巨匠作家の代表作のひとつに影響を与えたんじゃないか?)、そのギミックと渾然一体になった人の心の機微というか、文芸味にもしみじみとさせられる。 最後で明かされる(中略)の鮮烈さ、ソレに対しては絶対に共感も納得もしてもいけないけれど、しかし深いところでの理解はできる、という感じだ。 個人的には、文芸性の濃い(ただしその分、通常のパズラーとは少し軸足の違う)一種のフーダニットとして読んでもいいんじゃないかと思う一作。 繰り返すけれど翻訳の読みにくさ、古さの点でフツーに楽しむにはちょっとキツかったけれど、中身そのものはなかなか出来のよい作品だと思う。 キャスパリはまだあと二冊、近年に翻訳が出ているので、そっちもおいおい読んでみよう。 |
No.2 | 5点 | 蟷螂の斧 | |
(2013/12/22 18:36登録) 米ベスト44位(サスペンス部門5位)広告会社の美人文案家ローラが殺された。捜査部長マークは捜査にあたる。ローラを崇拝する評論家・ワルドーがこの事件を小説にする。一部はワルドーとマークのやり取りを軸に物語は展開するのですが、やや退屈(翻訳のせい?)です。二部はマークの一人称となり、ここでサプライズがあります。しかし、これはメインではありません。ワルドーの言葉「探偵小説というよりは、恋愛小説としてものしたいと思う」とのとおり、サスペンスとしては弱い感じがしました。映画化されているようですが、米国と日本の嗜好の差が歴然とした一冊となりそうです。別サイトでの書評が見つけられませんでした。 |
No.1 | 7点 | mini | |
(2012/08/14 09:45登録) 題名がすご~く微妙~ あたしのことじゃないよぉ~\(^o^)/ 本当は原題だとただ単純に”ローラ”だよ~ でも映画に合わせて殺人事件なんて付けちゃっつたのかな 本格と間違えて読んじゃう人も居そう これサスペンス小説だよ~ でもイイ感じ~OK! 手の動きが文章で表現出来なくて残念~ 福田彩乃ちゃんはその点有利かな~ 中盤でちょっとしたどんでん返しがあるの でもそれがメインじゃないんだよぉ~ 今日だけちょっと涼しいけど 夏の暑さに魘されたような話なの~ 都会の中のお伽噺って雰囲気~ でもイイ感じ~ 活躍年代がミラーやアームストロングと被るから アメリカ3大女流サスペンス小説作家の中に マクロイの代わりに入れとこぉ~っと OK!、バイバ~イ! \(^o^)/ |