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ミステリの祭典

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タンゴステップ
クルト・ヴァランダー

作家 ヘニング・マンケル
出版日2008年05月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 びーじぇー
(2019/11/19 17:15登録)
田舎町で起きた事件の背後に、海外にまで及ぶ広がりをもつ真相が潜んでいた・・・というのはヴァランダー警部シリーズではおなじみの展開。本書でも同じ趣向を堪能できる。地理的な広がりに加えて、歴史的な広がりも加わるのが本書の特色。
リンドマンの捜査がたどり着くのは、一九三〇年代に端を発する一連の出来事。彼は、第二次大戦下で中立を守り抜いたスウェーデンの意外な史実に向かい合うことになる。作者は単に知られざる歴史を発掘するだけでなく、それを現代にも通じる普遍的なテーマにしてみせる。中盤以降、関係者が次々と「信仰告白」を始める奇怪きわまりない展開は、本書のテーマを直接表すものとして鮮烈な印象を残す。
とはいえ、深刻なテーマを深刻に語るような面倒くささとは無縁。ところどころに殺人犯の視点による叙述が挿入されるストーリーテリングは、作者が手札を一枚見せるたびに、一段ずつ謎が深まり、最後まで緊張が途切れることはない。

No.1 5点 あびびび
(2019/01/24 12:23登録)
スウェーデンと言う国は、あまりにも寛大すぎて誰でも入国できるーそれを憂う警察関係者。元刑事が惨殺された。皮鞭で、骨が見えるほど打たれ、血の足跡はタンゴステップそのものだった。元刑事の後輩だったステファン・リンドマン刑事は、舌癌の疑いがあり、治療のため休暇を取るが、その元刑事がいつも何かに怯えていたことを思い出し、調査を始める。

今回も犯人は他国から来た外国人(初段階で判明するのでネタバレではない)だが、第二の殺人事件で大きく展開が広がっていく。

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