わが名はレッド |
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作家 | シェイマス・スミス |
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出版日 | 2002年09月 |
平均点 | 7.00点 |
書評数 | 2人 |
No.2 | 7点 | SU | |
(2023/12/12 21:18登録) 過去に起きた赤子誘拐事件と現在をつなぐ謎めいた構成やお得意の人を食った語りの妙もさることながら、視点を変え先の見えない展開で、話の着地点がどこに行くのかという興味で読み手を振り回しつつ、最後に残酷な真実を見せつける。エキセントリックなサイコ・キラーが絡み、予断を許さない作品。 |
No.1 | 7点 | 斎藤警部 | |
(2017/08/17 03:28登録) 舞台は北アイルランド。 しこりと疑問を引き摺りながら、悠然と締め付けに掛かる悪夢のホヮットダニット、そしてさり気ないホヮイダニットの収斂っぷりが本作の肝。 日韓W杯の2002年に”「史上最悪」の暗黒小説”と評された作品。 赤子の頃に自分と双子の弟をハメた(地獄の孤児院に棄てた)自らの親族達に遠大計画(二十年!!)の残虐な復讐を遂行せんとする頭脳明晰の主人公レッドは、計画の途上で遭遇したサイコ殺人鬼ピカソにちょいと妨害され、逆に利用し、遂には。。。その渦中でうねる様に翻弄され続けるのはやはり孤児院出身、実の親を突き止めんとするルシール。彼女は最終的にレッドの犯す兇悪殺人罪の全てを覆い被せられる予定だが。。。。短い各章毎にレッド、ピカソ、ルシールと語り手が切り替わり物語は堂々進行。暗黒の残虐描写は期待し過ぎないほうが良い。世評的イメージを裏切り、純粋にミステリ(新本格?)としてガッツリ愉しめる一作。 7.48惜しくも7点! |