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ミステリの祭典

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落馬
ジェリー・ブローガンシリーズ

作家 ジョン・L・ブリーン
出版日1988年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 kanamori
(2011/02/24 18:12登録)
競馬シリーズ。といっても、こちらは競馬レースアナウンサー・ジェリーを探偵役に据えた米国製のコージー風ミステリです。
第1作になる本書の主役は、大邸宅に住むジェリーの叔母オリビア。古き良きミステリをこよなく愛する未亡人のオリビア叔母さんが、邸宅の庭で死体で見つかった騎手の事件を、あくまで古典ミステリのフォーマットにこだわり謎解いていく様子が可笑しい。
ただ、叔母さんが雇い入れた偽名探偵コンビがあまり物語に絡んでこないのと、関係者18名を邸宅に集めたわりに大団円の謎解きがあっさりぎみなのが少々物足りない。

No.1 6点 nukkam
(2011/01/18 21:07登録)
(ネタバレなしです) ミステリー評論家としても名高い米国のジョン・L・ブリーン(1943年生まれ)が1983年に発表したジェリー・ブローガンシリーズ第1作となる本格派推理小説です。有名ミステリー作家のパロディ作品を書いている作者だけあって本書に登場するオリビア叔母さんのキャラクター描写が秀逸です。古典的推理小説が大好きでホームズ流の人物鑑定や、容疑者を一堂に集めての謎解きを追い求める場面は本格派ファンなら笑いが止まらないでしょう。犯人が誰かという謎解きもさることながら、オリビア叔母さんの願いがどういう結末を迎えるかも本書のお楽しみの一つでしょう。推理は初期エラリー・クイーンを彷彿させる、これまた本格派好きを意識したようなところがありますがクイーンのように色々な可能性を一つずつ吟味することなく、「これしか考えられない」と一足飛びに結論に至っているのがちょっと残念です。でもまあ面白く読めました。

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