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ミステリの祭典

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幻狼殺人事件

作家 梶龍雄
出版日1984年01月
平均点5.67点
書評数3人

No.3 5点 nukkam
(2022/06/13 02:17登録)
(ネタバレなしです) 1984年発表の本格派推理小説です。kanamoriさんのご講評で指摘されているように横溝正史の名作「八つ墓村」(1949年)を意識したかのような作品ですがスリル感では「八つ墓村」が、本格派推理小説としては本書の方が充実していると思います。もっともプロローグの暴力的描写の連続は好き嫌いが大きく分かれそうですね。戦前に起きた事件の謎解きと、現代に起きた事件の謎解きが複雑に絡み合います。前者については犯人は最初からわかっていてなぜ事件が起きたのかの動機の謎解きなのですが、連続女性暴行事件の理由なんか知りたくもないという読者もいるかもしれませんけど。終盤には鍾乳洞での冒険シーンが織り込まれ、サスペンス濃厚な舞台での謎解きが圧巻です。図解入りでの大トリック説明まであります。

No.2 6点 こう
(2012/04/09 00:52登録)
 全体的なプロットは良く考えられていると思いますが流石に回りくどい、他にやり方があるだろうと感じました。またちょっと前時代的なストーリーかなあと思います。過去の不審死の真相は扱っている時代を考えればさもありなん、と納得できますが現代では起こり得ないので推理するのは難しいでしょう。職業が伏線にはなっているんでしょうが。
 読後感は悪くないのですが残された登場人物の後味は悪そうなストーリーではありました。
 この作品は会話(口語)はあまり気にならずその点は読み易かったです。

No.1 6点 kanamori
(2011/01/22 16:27登録)
群馬県の山村を舞台に、幻のニホンオオカミの調査で訪れた研究員が巻き込まれる殺人事件。
戦前に村で発生した婦女暴行&大量殺戮事件、鍾乳洞の迷路、最後に屋敷の炎上など、これは明らかに「八つ墓村」のオマージュといえる作品で、作者にとっては異色のミステリでした。
ちょっと色々な素材を詰め込み過ぎで、まとまりを欠いた感じも受けますが、こういった伝奇風ミステリは好みなので良とします。

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