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ミステリの祭典

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アマルフィ
外交官・黒田康作シリーズ

作家 真保裕一
出版日2009年04月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 6点 猫サーカス
(2018/03/01 18:27登録)
イタリアを舞台にした誘拐ミステリ。もともとオール・イタリアロケを前提とした映画の原作として作られた物語だという。華やかな観光都市を移動しながら進行していく物語は、スケールの大きさと豊かな娯楽性を感じさせるばかりか、犯人側の目的が隠されたまま展開していくため最後まで緊張や興奮が途切れることはない。すべての要素にメリハリが利いているため、大変読み心地の良い作品に仕上がっている。

No.1 4点 江守森江
(2011/01/03 02:29登録)
近々放送開始な外交官・黒田シリーズの連ドラの番宣を兼ね今晩フジテレビで映画版が放送される(私は友人宅でDVDを観た←映画館には年一程度しか行かない)
フジテレビと織田裕二の為にある作品で、映画のプロットから枝分かれして映画制作と同時進行で書かれた双子作品。
テンポあるサスペンスで作者の本領が発されている。
一方で、哲学的主題を掘り下げずサラッと流す。
エンタメ性と哲学的考察が軸として相反するジレンマが根底にあるので、どちらに主軸を置く読者かで評価は割れる。
そんな事に関係なく、映画企画に参加したのだから小説もと考えた‘やっつけ仕事’で稼ごうとする嫌なメディア・ミックス志向からは傑作は生まれない。
外交に数多の難題を抱え実質敗北している日本で、本作の主人公レベルの凄い外交官が存在する事はリアリティを欠くが、エンタメなので御愛嬌(もっとも交渉に凄みを発揮するワケではないし、他の事なかれ役人の描写は上手い)

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