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ミステリの祭典

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T.R.Y.
天才詐欺師・伊沢修

作家 井上尚登
出版日1999年08月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 4点 猫サーカス
(2021/05/18 18:47登録)
明治の東京と上海を舞台に実在の人物を巧みに織り交ぜながら、詐欺師の主人公が軍と軍閥を手玉に取る様子を新人離れした筆致で描いている。主人公を取り巻く脇役たちの造形も、芸者屋の女将をはじめとして中々いいし、頼りなない犬が登場して大活躍するなど、コミカルな味付けもいい。人物造形、構成がよく、波乱万丈のストーリー展開もいい。ただ、既読感があり、新鮮味という点で物足りなさを感じてしまうので、全体の高揚を削いでいることは否めない。

No.1 6点 kanamori
(2011/01/06 18:48登録)
20世紀初頭、革命の気運高まる中国と日本を舞台に、日本人の天才詐欺師・伊沢を主人公にした謀略・コンゲーム小説。
プロットが複雑すぎるきらいはありますが、実在の人物を多数登場させ、虚実取り混ぜた構成と騙し合いの連続は、デビュー作とは思えない軽快なエンタテイメントに仕上がっています。
ラストの逆転につぐ逆転のドンデン返しは、お約束気味とはいえ、なかなか痛快でした。

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