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ミステリの祭典

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紐と十字架
リーバス警部

作家 イアン・ランキン
出版日2005年04月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 E-BANKER
(2018/04/01 21:00登録)
「リーバス警部」シリーズの一作目に当たる本作。
(他の方も触れてますが、当初シリーズ化の意図はなかったとのこと・・・)
1987年の発表。

~「結び目のついた紐」と「マッチ棒で作られた十字架」・・・。奇妙な品物がリーバスのもとに届けられた。別れた妻が嫌がらせで送ってきたのか? 孤独なリーバスはエジンバラの街を震撼させている少女誘拐事件の捜査に打ち込む。だが、間もなく少女は無残な絞殺体で発見された。やがて彼のもとに差出人不明の手紙が。「まだおまえは分からないのか?」・・・。現代イギリス・ミステリーの最高峰、リーバス警部シリーズ待望の第一作~

エジンバラ・・・
有名なスコットランドの古都。人口約四十六万人。旧市街と新市街の美しい街並みはユネスコ世界遺産にも登録されている。
イギリス国内有数の観光都市である・・・(ウィキペディアより)

ということで、舞台となるのがエジンバラということがまずは本作、本シリーズの魅力となっている。
本格ミステリーというよりは米国のハードボイルドや警察小説の影響を強く受けた作風なんだけど、LAやNY、はたまたロンドンという渇い大都市ではなく、何ともジメジメした地方都市、しかも歴史だけは古く、伝統と因習に彩られた街で起こる事件・・・
それが本作、本シリーズの価値を高めているのだろう。

で、本筋はというと、うーん。正直、たいしたことはない。
真相についても、もう少し早く気づくだろう!っていうレベルだし、連続少女誘拐&殺人事件という猟奇的&魅力的な筋立ての割には工夫が足りないというか、起伏に乏しい。
リーバスの家族や過去に焦点を当てるというプロットも、シリーズ化を企図していたなら分かるけど、そうじゃなかったっていうんだからなぁー・・・
終章の対決場面も若干(?)消化不良気味。
それほど悪くはないんだけど、特段褒めるところもないというのが正当な評価かな。

No.1 6点
(2015/01/19 21:58登録)
シリーズ名はリーバス警部となっていますが、このシリーズ第1作ではリーバスは部長刑事です。
巻末解説に載っているランキン自身が語った2点は、どちらもなるほどと納得できるものでした。1つ目は本作を発表した時、シリーズ化するつもりは全くなかったことです。確かに事件の内容はリーバス個人の過去と密接に結び付いたものであり、シリーズで毎回この手を使うわけにはいきませんから、当然と言えるでしょう。もう1つはJ・エルロイから影響を受けたということで、解説では『黒と青』をエルロイの『ブラック・ダリア』と比較していますが、本作は最近読んだエルロイの第1作『血まみれの月』(本作の3年前、1984年発表)に、事件内容や主人公と犯罪者との関係(ジキルとハイドを別の人物とする)など、かなり似ているのです。
最後があっさりし過ぎかなとも思うのですが、とりあえずこの点数で。

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