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ミステリの祭典

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社交好きの女
ダルジール警視

作家 レジナルド・ヒル
出版日1982年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2016/05/16 17:32登録)
(ネタバレなしです) 英国のレジナルド・ヒル(1936-2012)が1970年に発表したデビュー作で、ダルジールシリーズ第1作です。ダルジール(Dalziel)と発音するのは誤りでスコットランド風にディーエルと発音するのが正しいというのが後年の作品で説明されましたが、ダルジールで翻訳紹介した日本の出版社はその後も誤りを訂正することなくダルジールのままで次々に翻訳しています(作者は了承したのでしょうか?)。デブ、口が悪い、下品、でも頭は切れるし時には優しさも見せるという超個性的な探偵ですが本書では後年の作品に比べればまだまだおとなしく、独身者ならではの落ち着かなさを表している相棒のパスコー部長刑事の方が印象に残りました。カーター・ディクソンの某作品を連想させるようなトリックもありますが手掛かりの追求よりも事件関係者の人間関係や心理描写に力を入れた本格派で、捜査はするけれど推理はあまりないので謎解き好き読者にはちょっと物足りないでしょう。後年作に比べればシンプルなプロットで(ヒル作品としては)読みやすいです。

No.1 6点 江守森江
(2010/10/15 02:15登録)
先日からAXNミステリーで「ダルジール警視」のドラマ化作品・日本語字幕版制作放送済み14話(前後編で原作7作分←未翻訳作品有)の帯再放送が始まった。
主役のダルジール警視だがドラマではディエルと正式な発音で呼ばれるがタイトルは翻訳に従いダルジールにしているとの但し書きがある。
作者の処女作だが翻訳出版は先に「殺人のすすめ」がされた。
これまたドラマ視聴のついでに原作をおさらいした。
強烈なキャラクターで絡み合う人間関係にズケズケ踏み込むダルジール警視を楽しむミステリで、犯人の意外性や論理性は思いのほか低かった。
古い翻訳でスイスイ読めない(図書館の本も古く紙が焼けて非常に読み難い)のでドラマのおさらいで丁度良かったと思える。
しかも、最初のドラマ化作品なので原作を大切にしていたのが好印象。
ダルジール警視役のウォーレン・クラークの素晴らしいキャラが一番の楽しみになるので原作だけなら4か5点だが、ドラマとセットでオマケ加点して6点にした。

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