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ミステリの祭典

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探偵は絹のトランクスをはく
クリッブ&サッカレイ

作家 ピーター・ラヴゼイ
出版日1980年11月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2018/06/20 23:51登録)
(ネタバレなしです) 1971年発表のクリッブ巡査部長&サッカレイ巡査シリーズ第2作です(私の読んだハヤカワポケットブック版ではなぜか「殺しはアブラカタブラ」(1972年)に続くシリーズ第3作と紹介されてますが)。「死の競歩」(1970年)では競歩の描写がいまひとつに感じられたのですが、本書では素手の拳闘(ボクシングでなくナックル・ファイトです)のトレーニングや試合の場面がなかなかの臨場感です。かなり後半になって起きた殺人事件はクリッブの推理による犯人当てがありますが、それまでは拳闘家に扮した若い巡査ジャゴの潜入捜査によって組織犯罪を暴こうとするスリラー小説的なプロットで、クリッブやサッカレイよりもジャゴの方が目立ってます。サスペンスが豊かのは本書の長所ですが、謎解きは本格派推理小説を期待する読者には物足りなく映るかもしれません。死体の首を切り落とす理由やそもそも被害者が殺される動機について(頭の悪い私でも理解できるよう)きちんと説明してほしかったです。

No.1 5点 kanamori
(2010/10/10 16:02登録)
ヴィクトリア朝ミステリ、クリッブ巡査部長シリーズの2作目。
前作の競歩もどきに続き、今回は賭博対象の素手の拳闘競技という当時の風俗を取り入れて、首なし死体事件に取り組みます。
クリッブとサッカレイ巡査のやり取りも適度なユーモアがあり面白いのですが、並行して描かれる若い巡査の潜入捜査の模様が楽しめた。本格度は高くないけれど、さりげない伏線が光るまずまずの作品だと思います。

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