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ミステリの祭典

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ドーヴァー6/逆襲

作家 ジョイス・ポーター
出版日1986年01月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点
(2018/05/26 15:36登録)
 ドーヴァー警部シリーズ第6弾。
「余震に遭ってくたばってくれりゃいいのに」と副総監が思ったかどうか知りませんが、今回は被災地での殺人事件に駆り出されたドーヴァーとマグレガー。酒場も土砂崩れで崖下で、意地悪ぶりも5割増し。
しょっぱなから泥塗れにされた腹いせに妊婦までいびっております。
 登場する村人もいつもに増して強烈ですが、容疑者が極端に絞られるせいか(地震によるクローズドサークルの上、後半に起こるドーヴァー殺し未遂でさらに絞られます)
それが祟って同時に読んだ「誤算」に比べると余裕が無い感じですかねえ。
 戯画化された登場人物ばかりですから、雲を掴むような展開でときたまギャグを挟むぐらいで丁度いい。どう転んでもサスペンスが売りにはならないんですから。
 あときちんと複線は張ってあるんですが、なんぼドーヴァーでも最後の追い込みはどうなんでしょうか。真相自体かなりブラックなのはともかく、後味がよろしくないのは加点できません。一応6点にしましたが、5.5点くらいの出来かな。

No.1 6点 nukkam
(2010/08/30 21:11登録)
(ネタバレなしです) 1970年発表のドーヴァーシリーズ第6作は大地震でパニックの最中の殺人というアイデアが秀逸な本格派推理小説です(イギリスって地震とはあまり縁がなさそうなイメージがあります)。巧妙な手掛かりによる推理も光ります。(トイレネタが多いですが)ユーモアも好調です。ところが...。それまでの雰囲気が大きく変わるような最後の一行には愕然としました。確かにインパクトは強烈ですが、これはなかった方がよかったのでは?悩みながらの採点となりました。

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