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ミステリの祭典

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アクロイドを殺したのはだれか
ピエール・バイヤール

作家 評論・エッセイ
出版日2001年09月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 蟷螂の斧
(2016/07/11 13:26登録)
「BOOK」データベースより~『アカザ・クリスティーの代表作として、またミステリー史上最大の問題作として知られる『アクロイド殺害事件』の犯人はその人物ではない―文学理論と精神分析の専門家バイヤール教授が事件の真相に挑戦、名探偵ポワロの「妄想」を暴き出し、驚くべき(しかし十分に合理的な)真犯人を明らかにする。「読む」ことの核心に迫る文学エセーとしても貴重なメタ・ミステリー。』~

真犯人はなるほどと思える人物ですね。内容的には、その他の作品のネタバレが随所にあり、読者を選ぶ評論です。特に「カーテン」の章があり、私は未読なのでこの部分は飛ばさざるを得なかった(苦笑)。フロイトなどのやや小難しい理論を展開する部分もあり、十分理解したとは言えなかった。

No.1 6点 江守森江
(2010/08/15 14:48登録)
「アクロイド殺し」の真犯人は誰なのか?を考察したクリスティー評論。
クリスティーの諸作品を読んだ方々を対象にした評論なのでネタバレに対する配慮は一切されていません、読むに当たってはご注意下さい!!!
「創造的読解への誘い」→「潜在的多義性の追求」が第一義にあり、極論だがミステリはリドルストーリーとの結論に至る。
取り分け、第三章ヴァン・ダインの法則でのクリスティー作品全般に於ける犯人設定(隠蔽)の技法論は面白い。
ミステリの技法としての「語り手は不誠実」やポアロの行動を精神分析して「妄想」と判断して「アクロイド殺し」の別解を導き出している。
作者の提示した結論に加えて、独自視点で推理・分析する新たなミステリ読書法を提起する一風変わった論文だった。

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