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ミステリの祭典

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大統領の密使
オヨヨ大統領

作家 小林信彦
出版日1971年07月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 5点 蟷螂の斧
(2016/03/04 13:21登録)
シリーズの4弾(大人向けとしての第1弾)とのこと。1971年の作品でナンセンス・ギャグをメイン?にしたスパイ・冒険もののパロディといった感じです。解説では「1993年の今、本作品はミステリではない」と断言しています。しかし、後発のミステリー作品で、本作のアイデアをどんでん返しに使用している例もあります。当時、著者はこのアイデアを本作品のトリックとは考えていなかったような気はします。あくまでもギャグがメイン?。しかし、そのギャグが伝わってこないのです(涙)。パロディの人物や世相は80%近くわかるのですが・・・。主人公・今似見手郎(いまにみてろう)のモデルは、ラジオ「いまに哲夫の歌謡パレードニッポン」(お相手は、あなたの「ちえ」よ)の今似氏だと思います。車での営業時中(昼間)、よく聞いていました(笑)。一番面白かったのは、「007は二度死ぬ」のボンドガールが生んだ子供(鈴木ボンド)の登場でした。(映画では確か偽装結婚であったような、小説では結婚し身ごもったような・・・。)

No.1 8点 kanamori
(2010/08/10 18:51登録)
怪人オヨヨ大統領シリーズの第4弾。
一応、巻き込まれ型の謀略系ミステリの恰好をとっていますが、パロデイとナンセンス・ギャグに溢れたハチャメチャな娯楽小説。
とは言っても、プロット全体に先駆的な仕掛けが施されており、「SRの会」が選んだその年のミステリ第1位作品でもあります。
さすがに、時代を風刺したパロデイは現在では意味不明なものも多いのが残念。主人公の深夜ラジオ人気DJ・今似見手郎といっても誰のパロデイか分からない。神出鬼没の「青木の奥さん」は、たぶん亜愛一郎シリーズの謎の老婦人の元ネタでしょう。

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