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ミステリの祭典

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フィリップ・マーロウよりも孤独

作家 平石貴樹
出版日1986年03月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 4点 nukkam
(2016/01/23 09:27登録)
(ネタバレなしです) 1986年発表の長編ミステリー第3作です。レイモンド・チャンドラーの私立探偵フィリップ・マーロウ(読んだことありませんが私でも名前は知っています)をタイトルに使っていますが、ハードボイルドどころかミステリーでさえあるかさえ個人的には微妙な作品でした(強いて言えば本格派でしょうか)。大学の工事現場から10年以上前に殺されて埋められたらしい白骨死体が発見され、主人公はかつてオニイと呼んでいた人物が犯人ではないかと疑います。そこから主人公の回想を通しての謎解きが(本格派風に)始まるのですが、この回想が主人公とオニイとママの奇妙な三角関係描写中心でしかも筋道無視の妄想気味、ミステリーである以前に小説として読みにくいです。終盤に主人公が「謎は解決されるのでなく、かたちを得てはっきり残ったのだ。あたしに」と謎めいた述懐しているように、すっきり感のないままに終わってしまいました(私の理解力も弱いのですけど)。

No.1 3点 江守森江
(2010/07/30 01:11登録)
タイトルから想像させるハードボイルドでも「誰もがポオ〜」や「笑ってジグソー〜」の様な本格ミステリでもない。
私的に今一つ馴染めない学園紛争時代を絡めた青春&家族群像を記憶と妄想(想像)で手記に纏めた一風変わったミステリー(私的な範疇に含めるかすら微妙)だったので完全に期待外れな作品だった(かなり昔の遠い記憶)
本業のアメリカ文学研究(私的に全く未知)の余勢で書かれた作品なのだろうか!と残念な思いがあった。
作者には論理的な本格ミステリを求めていて、本業関係の(評論や翻訳)作品には興味が湧かないし、何となく読んだ本作と純文学な「虹のカマクーラ」でそっち方面は肌が合わないと認識した。
※余談
プロフィールで好きな作家に取り上げているが高木彬光同様に作品は限定される。

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