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ミステリの祭典

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七人の敵がいる

作家 加納朋子
出版日2010年06月
平均点3.50点
書評数2人

No.2 5点 E-BANKER
(2018/03/11 12:15登録)
小説「すばる」誌に断続的に掲載されてきた作品をまとめた連作形式の長編or作品集。
単行本化は2010年。
各編(各章)にはタイトルどおり、様々な“敵”が並ぶ!

①「女は女の敵である」=ということで、敵は女である。まずは主人公・陽子の「ブルドーザー」と呼ばれる辣腕ぶりが発揮される。小学校のPTAかぁー。未知の世界だ!
②「義母義家族は敵である」=こんないい義母。敵だと思ったらバチが当たる! 小姑的な女性は嫌だが・・・
③「男もたいがい、敵である」=そうです。プライドと見栄の塊なんですよ、男っていうものは!
④「当然夫も敵である」=もちろん! 敵同士です。夫婦なんて! もちろん例外はありますが・・・
⑤「我が子だろうが敵になる」=タイトルとは裏腹に、ここで重大な秘密が明かされることになる。
⑥「先生が敵である」=個人的に“教師”という人種は嫌いである。こういう“狙い”で教師になってる奴って多いんじゃないのか、と邪推したりする。
⑦「会長様は敵である」=ラストは「大ボス」とでもいうべきPTA会長との対決。こういう相手こそ陽子の真骨頂発揮・・・ということで。

以上7編+α。
非ミステリーである。でもそんなことはどうでもよい(いや、どうでもよくないのだが・・・)。
あくまで女性視点であるので、世のお父さん方、ご安心ください。
いや、安心しない方がいい?
とにかく身に覚えのあることが多すぎて、もはや読むのが苦痛になるほどだった。

PTA活動? 自治会活動? やってないねぇ・・・
働き方改革真っ只中の現在。価値観を少し改める必要はあるのでしょう。
いずれにしても、世の中は女性中心で回っているんだなと痛感させられた次第。
(まったくミステリー書評ではないな)

No.1 2点 江守森江
(2010/07/27 09:03登録)
書評1000件カウントダウン「2」
「小説すばる」連載時に読んでいた。
現在PTA活動をしている身には切実で、実際にありえそうな話なので楽しめた。
しかし、もはや加納朋子はミステリーから離れた作家で、ミステリーは旦那の貫井にお任せなのかもしれない。
この作品は私的でなくてもミステリーの範疇にはないと思うのでポリシー通り2点。
加納朋子の描く金太郎飴的だが上手い人物造形が好きな人と、実際に子育て中な方々が読めば楽しいだろう作品ではある。

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