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ミステリの祭典

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ゲームの達人

作家 シドニー・シェルダン
出版日1986年11月
平均点8.50点
書評数2人

No.2 7点 itokin
(2011/07/16 09:59登録)
世界的な流行作家への初挑戦。超スピードの冒険物語、何しろ親子4代の物語だから荒削り、前半はありきたりの筋書きで疲れた。しかし、双子の孫の時代から最後にかけては、さすが流行作家と思わせる迫力はあった。ミステリー性の少ないこのような作品は読みやすさだけでなく物語に深みがないとと感じた。

No.1 10点 Tetchy
(2010/07/23 22:24登録)
本作について、現在30歳以上の方々をおいて知らぬ人はいないだろう。『ゲームの達人』という煽情的なタイトルは当時ゲームっ子だった私を刺激したが、表紙を見るに、どうも自分が想定しているような、ハドソンの高橋名人のような1秒間に16連射できるシューティングゲームの達人といった内容でないことは子供心でも解った。したがって毎週この本売れているようだけど、どんな本なんだろう?と思っていたにすぎなかった。
本書を手に取るきっかけは高校の同級生の勧めだった。

とにかくすごく面白かった。小説とはこういう物を指すのかと初めて意識した作品だったように思う。
親子4代に渡る大会社経営者の波乱万丈人生の顛末は普通の人生を生きてきた自分にとって想像を超えた世界だったし、ジェイミーがなんども窮地に陥りながらも、とうとうダイヤモンドの原石を見つけ出し、その後手ひどい裏切りを受けながらも、会社を設立するまでの苦難の数々にアメリカン・ドリームを見、またそれが単に「棚ぼた」でなしえる物でなく、九死に一生を得るほどの苦難を乗り越えないと成功は手に入れられないことを知った。
またその娘ケイトが物語の中心となるが、その気性の激しさに女性の恐ろしさを、さらには彼女の孫娘達をシェルダンがまばゆいばかりの美貌で描写するがために、どれほどの美人なのかと想像も掻き立てられた。そして私にとっては少々、いやかなりハードな濡れ場の描写に思春期特有の興奮を覚えたものだ。
またケイトの会社が社会的成功を収め、着実に帝国を築いていきながらも、家族の関係は常に泥沼であり、志半ばで斃れる者も数多あり、本当の幸せとは一体なんなのだろうかと考えさせられもした。

このようにこの小説は私にとって小説を読むことを多面的に教えてくれた作品だった。この本はその後、うちの家族の中でも回し読みされ、普段本を読まない弟さえも手に取り、2人で色々内容について話し合った記憶がある。こんな小説は本当に珍しい。

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