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ミステリの祭典

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硝子の塔
刑事コロンボ(書き下ろし作品)

作家 スタンリー・アレン
出版日2001年07月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 tider-tiger
(2020/03/12 20:51登録)
~貧困から抜け出して一流の建築家となったポール・レドナップは会社の設計企画部長を務め、ついに念願だった支社長就任の展望が見えはじめていた。だが、ライバルに弱みを握られてしまい……当然のことながらコロンボにつきまとわれることになるのであった。~

1999年アメリカ。コロンボシリーズの熱烈なファンである新進のミステリ作家が書き下ろしたコロンボもの。どうやら合作らしいが詳細は不明。
初期コロンボを忠実に再現しようとした意欲は買う。野心的で大胆な犯人の造型、犯人の周辺の人物の描き方、展開などはいかにもコロンボらしく、TVドラマのノベライズと言われてもさほど違和感はなかったと思う。旧作の断片があちこちに散りばめられているのもファンには嬉しい。
コロンボは心理戦(犯人イジメ)が醍醐味だと思っているのでトリックがチープなのは~I Want You To Want Me~さほど気にならないのだが、なんというか、犯人にちょっとした不運が続き過ぎるのはもはやギャグのレベルかなと。
レビンソン&リンクによるノベライズ(既読は五冊程度ですが)はあまり小説っぽくはない文章だったが、演出はそんなに悪くなかった。
ところが、本作は筆力もさることながら、演出もやや問題がある。物真似はとかく大袈裟になりがちだが、コロンボが何度も何度も浮浪者と勘違いされたり、上記のとおり犯人の不運が連続したりと、いささかくどい演出が見受けられた。
ラストは悪くなかった。映像ならさらに面白かったかもしれない。
個人的に残念だったのはコロンボが意地の悪さを発揮する場面が少なめだったこと。
コロンボファンならそれなりに楽しめると思うが、コロンボを抜きにしたミステリファンの視点では厳しい作品。4~5点かな。おまけして5点。

著者近影ではなぜか作者本人ではなく、レビンソン&リンクの写真が。あとがきでも作者たちについてはほとんど触れられず、ピーター・フォークとレビンソン&リンクの逸話ばかり。本人たちの希望かもしれないが、ちょっとこの扱いは可哀想ではないかと。

No.1 5点 大泉耕作
(2012/01/08 15:16登録)
新シリーズのオチらしいオチ。通常通りこの手の本というのは描写が薄っぺらいことにはさすがに目を瞑ることに限りますが、このロジックはもっと工夫が出来んものだか・・・。
(追伸)
誤ってR&Wの作家名に入れてしまいました。
申し訳ございません。

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