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ミステリの祭典

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怪奇探偵小説名作選〈4〉佐藤春夫集-夢を築く人々
ちくま文庫

作家 佐藤春夫
出版日2002年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 蟷螂の斧
(2017/11/13 15:48登録)
裏表紙より~『谷崎潤一郎とともに探偵小説のジャンルも開拓し、のちに文壇の重鎮的存在となった佐藤春夫の、幻想美溢れる作品世界。初期の代表作「西班牙犬の家」、探偵小説の先駆けとなり谷崎が絶賛した「指紋」、新しい方法意識で小説世界の幅を広げた未来都市小説「のんしゃらん記録」の他「女人焚死」「女誡扇奇譚」など、幻想・耽美的作品を収録。また評論として「探偵小説評論」「探偵小説と芸術味」も収録。』~
探偵小説(的小説?)としては「指紋」「オカアサン」「「女人焚死」あたりか。「指紋」は1908年警視庁が指紋制度を採用、その10年後の作品です。当時としては新鮮な題材であったのかも。「オカアサン」(1926)は買い取ったインコの言葉だけから前の持ち主の生活を推理するもの。「九マイルは遠すぎる」のパターンを先取りしています。「女人焚死」は足を縛られた女性の焼死体が発見される。他殺か自殺かというもの。その他、全体的には幻想譚的な作品が多かった。ミステリーの歴史を知るには役立つと思います。次回は、江戸川乱歩氏の前の時代、明治から大正初期の作品集「文豪による探偵小説」を手にする予定。

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