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ミステリの祭典

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維納の殺人容疑者

作家 佐藤春夫
出版日2005年12月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2013/08/24 21:35登録)
佐藤春夫と言えば純文学系の小説家、また詩人として有名な人ですが、『田園の憂鬱』も長年積読状態だったのを最近やっと読んだだけで、ミステリも書いていることは本サイトに作家登録されているのを見て初めて知ったのでした。
1933年に出版された時は「佐藤春夫 纂述」とされていたそうで、珍しい言葉ですが、編纂の「纂」ですから、要するに編纂的な作品だということになります。1928年にウィーンで起こった殺人事件の裁判記録・記事を組み合わせて構成し、当時の新聞記事写真や証人スケッチなども入れているという、裁判ドキュメンタリーです。したがって、鮮やかな収束感なんてものはありません。しかしこれがおもしろいのです。文章表現も結局作者自身のものでしょう、古めかしいところがまた味があるのです。
「拳銃」(レヴォルヴァー)と「掌銃」(オートマチック)についての勘違いだけは気になりましたが。

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