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ミステリの祭典

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ブレイズメス1990
バブル三部作

作家 海堂尊
出版日2010年07月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 6点 E-BANKER
(2013/01/13 01:35登録)
前作「ブラックペアン1988」の続編的位置付け。
東城大学病院を巡る「桜宮サーガ」に組み込まれる作品。

~この世でただ一人しかできない心臓手術のために、モナコには世界中から患者が集まってくる。天才外科医の名前は天城雪彦。カジノの賭け金を治療費として取り立てる放埒な天城を日本に連れ帰るよう、佐伯教授は新人医師・世良に極秘のミッションを言い渡す。「ブラックペアん1988」の興奮とスケールを凌ぐ超大作~

このキャラスゴイわ。
その名も天城雪彦。まるでブラックジャック・・・
前作からの主役&視点人物である世良を中心に、東城医大佐伯教室のキラ星のような登場人物たちが絡み合い蠢き合う。
前作では世良に強い影響を与え、現在(「チームバチスタ」以降)の病院長である高階すら影を薄くさせるほどの巨星・天城。

何はともあれ、本作の山は「公開手術」の場面だろう。
天城がその神業を公衆の面前で見せつけるシーン。医療ミステリーは数あれど、これ程劇的でかっこいい場面にはそうそうお目にかかれない。
そして、判明する天城の深謀遠慮。
これはもちろん、1990年時点から見た将来の医学会へのチャレンジなのだろうが、一人の男の矜持、想い、人生そのものなのだろうと思った。

海堂作品では、別作品の登場人物があちこちに登場したりという仕掛けが楽しいのだが、本作では何といっても「桐生」。
(もちろん、「チームバチスタ」のあの人です)
まぁいずれにしても作者の才能はスゴイ。この世界観にはただただ感心。
ミステリー色はほぼないが、医療エンタメ作品としては十分。ただ、個人的には前作の方が好きかな。

No.1 2点 江守森江
(2010/07/14 08:05登録)
小説現代連載時は1990ではなく1991だったが、内容が膨らみ過ぎて1991年の話は次作持ち越しらしい。
「ブラックペアン1988」の続編になるシリーズで、作者の作品に共通でリンクしている。
前作でも非常にミステリー色は薄かったが、今作は純然たる医療エンターテインメントになった(ポリシー通り2点)
モナコでのギャンブル場面や公開手術場面は作者のファン以外でも楽しいだろう。
しかも、作者の主張も抑えられ面白さを追求している。
別作品ではジェネラル速水に帯同する花房が、このシリーズでは主役の世良と付き合っているので、ファンには一番気になる所だろう。
作者を追いかけているかどうかで面白さが違うだろう作品なので一般小説としての評価も3〜6点と幅を持たせたい。

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