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ミステリの祭典

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死の花の咲く家

作家 仁木悦子
出版日1979年10月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 ∠渉
(2014/04/28 17:29登録)
子供が出てくるとやっぱり良いですね。仁木作品は。読みやすくて、心地いい。仁木さんの背伸びしない感じが好きです。仁木さんは僕にとって、日本ミステリの窓口にいる受付嬢的存在なのです。

「鬼子母の手」、「夏雲の下で」、「空色の魔女」が好きだったかな。子どもを子どもらしくちゃんと描いててすごい。なかなかいないですよね。これ書ける人。

No.1 5点 kanamori
(2012/10/15 18:07登録)
ミステリ短編集(角川文庫版)。
表題作は、長編「殺人配線図」の探偵役・新聞記者の吉村駿作シリーズの1編で、仁木兄妹が扱うような遺産相続がらみのミステリ。収録作の中ではもっとも本格っぽいが真相は分かりやすい。
「空色の魔女」は、園児が書いた不自然な白雪姫の絵から、幼稚園の保母が推理を展開していくプロットが面白い。子ども視点の作品2編のうち「夏雲の下で」は、お得意の小学生探偵による謎解きもの、「鬼子母の手に」は子供が窮地に嵌るサスペンスものとテイストは違うものの、ともに子供の描写が活き活きとしており読み心地がいいです。
松本清張や鮎川哲也などの短編集は出版社によって収録短編の編集がバラバラでコンプリートを目指すのが大変なのに対して、講談社文庫と角川文庫が競うように出していた仁木悦子作品は、両出版社で収録作品の重複がないというのはありがたいです。

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