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ミステリの祭典

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本格ミステリー・ワールド 2008
島田荘司監修

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日2007年12月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 5点 Tetchy
(2010/07/01 21:19登録)
収穫といえば、今まで謎のヴェールに隠されていた三津田信三のインタビュー記事ぐらいか。下世話な云い方をすれば南雲堂という出版社が本格ミステリはおいしい商売だから、1年を総括するムックを出すとそれなりに利益も出るし、マイナーな自社の宣伝にもなる、そういう商売根性が透けて見えるかのようだ。

しかし二階堂黎人がここでは「大きな声を出す」選出者となっているのだ。その好き嫌い度は露骨過ぎる。本書には選考会議の一部始終が収録されているのだが、彼のある発言にはビックリした。ちょっと長くなるが、抜粋しよう。

 なお、この犯行動機を古いとか大時代だから良くないななどという者は、最初から本格読みとしての資格はないわけで(事件に見合うだけのあの動機や現代性などを提言できるならともかく)、余計ないちゃもんをつけずに黙っていてほしいものですね。

驚嘆すべき暴論である。どう好意的にとっても他者の反論を封じ込め、彼のナチズムを充足しようとする意図しか見えない。カッコ内は選考座談会の後で津波のように押し寄せてくるだろう、世の本格愛好者を筆頭にしたミステリ読者、一般読者の反論を緩和すべく足された文章であろうが、それがあってさえ、彼の暴挙は目に余る。

このシリーズを有意義に、そして未来に残して恥ずかしくない物にするには、一日も早く彼を排除すべきだ。

No.1 3点 江守森江
(2010/06/26 18:53登録)
毎度のごとく年刊雑誌なので一律の3点。
この雑誌に関しては海外翻訳情報の扱いは「本ミス」以上に限定的なので私的な不満はない。
この年度は、本格ミステリ作品が原点回帰していて、二階堂一派の主張と一般本格ミステリ読者の意見に違いが見られない。
その意味で、他誌で読めない「自作解説」が読めるのは素直に嬉しい。
二階堂一派の自己満足本な事は変わらないが(私的見解だが国内では一般読者に見限られている)島荘が台湾に活路を求めだし、その意向が反映されだした。
同じ「俺ミス」と揶揄されても、この年度から二階堂一派と並び島荘も‘俺’(オナニー仲間)に含まれだした。
※私的見解
作品自体は嫌いではないが二階堂は人間性に問題がある。
島荘は人間性は気にならないが、主張する現代本格の方向性が相容れない。
小森は小難しくミステリが娯楽ではなく、勉強を強要される気分になってしまう。

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