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ミステリの祭典

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摩天楼の身代金

作家 リチャード・ジェサップ
出版日1983年04月
平均点7.33点
書評数3人

No.3 8点 蟷螂の斧
(2014/04/04 14:33登録)
1981年の作品です。同年、日本では「コンピュータの身代金」(三好徹氏著)が発表になっています。「コンピュータ」を”人質”にするアイデアでしたが、本作は「超高層ビル」をということで、日米での時代背景など、何やら興味深いものを感じます。緊迫感・スピード感では本作のほうが断然上回っているように思いました。”身代金”受け取り方法のアイデアは斬新ですが、回収にかなりのリスク(杜撰さ)があるのでは?。ラストはニヤリとしますが、西村京太郎氏の作品(1977)が先陣を切っていましたね。たまにはクライムサスペンスもいいものと思いました。

No.2 7点 こう
(2012/04/09 00:40登録)
 身代金強奪物の佳作だと思います。
 身代金強奪のトリックは伏線もあからさまですが日本人作家のプロットよりもいい意味でおおざっぱというかアメリカ的な印象が強いです。
 主人公が優秀で全てを計画通りに行ってゆくプロフェッショナルな所は読みごたえがありますが逆に計画通り淡々と殺人を行ってゆく所はちょっと共感しづらかったです。日本では身代金物は殺人が起こらない作品が多いのでその点はちょっと違和感がありましたが楽しめる作品なのは間違いないと思います。 

No.1 7点 kanamori
(2010/06/19 14:08登録)
今思うと、80年代前半に続々と出た文春文庫の翻訳ミステリは充実していました。
「超音速漂流」「サンドラー迷路」「フィッシャーを殺せ」「復讐法廷」など、その後復刊された本もありますが、埋もれた傑作のひとつが本書です。
超高層豪華マンションの爆破脅迫もので、この手のクライムサスペンスでは「シャドー81」に比肩する徹夜本でした。
ベトナム戦争が絡む点も似ていますが、特筆すべきは前代未聞の身代金奪取方法で、これだけでも読む価値ありです。主人公の犯行動機がナイーブな人物造形と併せて共感を呼ぶ設定も巧いと思います。

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