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ミステリの祭典

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黒いリボン
仁木兄妹の事件簿

作家 仁木悦子
出版日1962年01月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2023/07/29 21:31登録)
(ネタバレなしです) 1962年発表の仁木兄妹シリーズ第4作で、シリーズ短編はこの後も書き続けられましたがシリーズ長編としては最終作です。本書の角川文庫版の巻末解説によると「猫は知っていた」(1957年)、「林の中の家」(1959年)、「棘のある樹」(1961年)がそれぞれ夏秋冬の物語で、本書は春の事件を描いたそうですが特に季節感は感じませんでした(私の感性が鈍いだけかもしれませんが)。水遊び用の人工池で遊んでいた子供が誘拐され、「ブラック・リボン」と名乗る誘拐犯からの身代金要求の手紙が来る事件に大学生の仁木兄妹が巻き込まれます(殺人もあります)。巻末解説で作者は「読者に提供する手がかりのデータが少ない」と自戒していたと紹介されており、確かに(個人的にシリーズ最高傑作と思っている)「林の中の家」と比べればその通りだし偶然と好都合に支えられた真相の感がありますけど誘拐サスペンスとしてよりは本格派推理小説として楽しめる内容だったと思います。誘拐犯からの電話に細やかな工夫があったのが印象に残りました。

No.1 5点 kanamori
(2010/07/05 21:01登録)
仁木兄妹シリーズ第4弾、最後の長編ミステリ。
今作は、誘拐をテーマにしたサスペンス風ミステリで、巧みな伏線の張り具合を楽しむ本格編ではないのが残念。
短めの長編なのでちょっとあっけない。

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