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ミステリの祭典

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このミステリーがすごい!2006年版

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日2005年12月
平均点4.50点
書評数2人

No.2 6点 Tetchy
(2010/06/12 21:22登録)
目新しさがなくなってきたように感じたのがこの年ぐらいからかな。前年に引き続き、ランキングを制したのはベテラン作家の東野圭吾であったのは素直に嬉しい。その他佐々木譲の復活、久々の原尞作品が当然の如くランキングされているのもまた嬉しい。北村薫、我孫子武丸のランクインも健在ぶりの証左となって嬉しかった。

しかしやはりこの20位までというランキングで淘汰された作品があるのも気になる。特に伊坂作品や恩田作品など世評が高くなるにつれて『このミス』読者が離れていっているような気がし、マニアのためのミステリ本の域を脱していない感が強い。また島田荘司の復活があまり評価されていないのも腑に落ちなかった。
翻って海外ミステリのランキングに目を向けると、この分野はどんどん拡散している気がする。特に顕著なのはミステリから乖離して行っているのではないかという事。1位のジャック・リッチーやシオドア・スタージョン、アヴラム・デイヴィットスンなどはもろSF作家のようだし、これらの作家を高く評価するよりもウェストレイクやランキンやヒル作品が例年通り訳出している事を喜び、評価すべきだと思う。個人的には2位にランクインしたコナリーに1位を取ってほしかった。

あと国内ランキングで目に付いたのはライトノベル作家の進出が以前にも増して顕著になったこと。ここらへんはライトノベルというよりも通常のミステリとして評価しているのだからまあ、そんなには気にならない。

『このミス』は今後も読むだろうし、また出版された時は嬉々としながら読むだろう事は間違いない。しかしやはり感じる違和感は拭えない。これはこの先ずっと続くんだろうな。

No.1 3点 江守森江
(2010/06/12 15:14登録)
毎度のごとく年刊雑誌なので採点は一律の3点。
そして、海外翻訳ランクも興味なし。
この年度は、どのランクでも東野圭吾「容疑者X〜」の独走で、石持「扉は閉ざされたまま」が離れた二番手な感じで変わりばえしない。
時間を経た評価なら5位「神様ゲーム」・20位「隠蔽捜査」辺りは順位が上がるだろう。
私的に東野圭吾・横山秀夫・米澤穂信3人のインタビューは楽しめた。
常々思うのだが(作品のデキに関係なく)旧作の発掘復刊作品は、相撲番付同様な「張出」扱いにしてほしい!
この年度の「このミス」独自な見所は、自前の新人賞「このミス大賞」の大賞作品(一番の出世作)と特別奨励賞作品(一番のクズミス)の落差だろう。
もう一つは、前年から別雑誌を発行して排除を図ったラノベ・ミステリーだが、皮肉にも米澤・桜庭とラノベに軸足のある作家がランクインしている。

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