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ミステリの祭典

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終末曲面

作家 山田正紀
出版日1979年10月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 虫暮部
(2020/02/03 13:19登録)
短編と言う枠の中に押し込められた物語の軋みが聞こえる。背景としてもっと大きな世界が感じられ、いわば設定としては長編的、結末は短編的、故に文字で表現された以上のエッセンスが行き場を失くしてえも言われぬ焦燥感を生み出した。特に「薫煙肉のなかの鉄」の世界にはもっと浸りたかった。
 「銀の弾丸」は、日本人作家による史上二作目のクトゥルフもの作品だとか(一作目は高木彬光「邪教の神」)。

No.1 6点 kanamori
(2010/06/12 18:28登録)
著者の第1短編集。
近未来冒険サスペンス小説のサビの部分を切り取ったような尖鋭的で濃い作品がそろっています。
人類終末間近の緊迫感と派手なアクションが光る「贖罪の惑星」、怒涛の暴力場面とタイトルの意味が印象的な「燻製肉のなかの鉄」などハードな作品が多いですが、コンピュータ技師たちが次々と失踪していく真相が人類の終末に結びつく静かな恐怖を描いた「終末曲面」が一番読ませます。

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