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ミステリの祭典

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本格ミステリ・ベスト10 2004
探偵小説研究会編・著

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日2003年12月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 3点 江守森江
(2010/06/20 04:09登録)
毎度のごとく、あくまで年刊雑誌なので採点は一律の3点。毎度のごとく海外翻訳ランキングも興味なし。
珍しく図書館で貸出中だったので書評順が年度順からズレた。
表題作以外が脚を引っ張った感はあるが旧来の本格路線な有栖「スイス時計の謎」と新たな本格ミステリ時代の到来を告げる歌野「葉桜の季節〜」のランク順と点差が興味深い。
私的に一番楽しみな映像・ラノベ・コミックに個人的には拾い物がなく寂しい。
この頃から本格ミステリも許容範囲を広げてバラエティーに富んできた事がランキングからも良く解る。

No.1 5点 Tetchy
(2010/06/07 21:24登録)
この年は『このミス』と同じく『葉桜の季節に君を想うということ』が1位となり、記念すべき年となった。
それ以外では石持浅海の『月の扉』、大倉崇裕の『七度狐』、京極夏彦の『陰摩羅鬼の瑕』、小野不由美の『くらのかみ』、横山秀夫の『第三の時効』、東野圭吾の『ゲームの名は誘拐』が『このミス』と重なっており、有栖川、京極、島田、西澤、芦辺、貫井、二階堂といった本格作家の名前がベスト20に見られるのがやはり特徴的。

私がこのランキングを好むのは最近の『このミス』に顕著に見られる、新人作家の過大評価とベテラン作家の使い捨て傾向というのがなく、どれも正当に評価していることが素直に嬉しいからだ。ベテランがまだ精力的に魅力ある作品を送り出している事をあまり評価せず、青田買いのように新しい作家を紹介し、そしてやがて3、4年後にはランキングに相手もしないような使い捨て傾向にある『このミス』よりも遥かに良い。

今までよりもベスト20内に入った作品の解説がマニアックでなくなり、非常に理解しやすくなってきたのは良い。また海外作品も多く取り上げるようになったのも良い(解説がベスト5までなのがまだ不満)。
国内復刊ミステリの動向のレポート、装幀大賞の企画はまだまだ続けて欲しいくらい良いが同人誌・映画・ジュヴナイルなどのレポートはあっても良いがこれほど長くなくてもいい。出来れば見開き2ページで完結して欲しい。ここら辺がマニアの域を脱しない枷になっている。

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