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ミステリの祭典

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このミステリーがすごい!2004年版
別冊宝島編集部編

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日2003年12月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 7点 Tetchy
(2010/06/06 21:01登録)
『このミス』も10年以上経て、かなり権威がついてきているせいか、当初のマイナーリーグ故の思いっきりの良さ、怖い物知らずの勢いが成りを潜め、かなりオーソドックス路線へと変貌を遂げつつあることが暗示された。というのもアンケートの回答に「マニアックなものは避けて下さい」というような主旨の但し書きがあったとの意見が散見されたからだ。

今回の『このミス』は国内編では歌野晶午が第1位という予想外の結果だったことがまず嬉しかった。ぽっと出の新人ではなく新本格第1期生のキャリア16年の作家が初登場でしかも1位だったというのが純粋に嬉しかった。また他にも昨年に引き続いて連城三紀彦がランクインと以前見られた作家の使い捨て傾向がやや改善されてきているのも嬉しい。

海外編もマキャモン、ウェストレイク、ヒル、フォレットとかつての『このミス』を席巻していた作家がランクインしていたのが嬉しい。つまりこれは以前のように奇を衒った回答ではなく純粋に面白い作品を回答してくれた事の1つの証左であると思う。だから真保裕一や島田荘司がランクインしなかったのも彼らの作品よりももっと面白かった作品があったのだと納得できる。

今後、ミステリ界はどんどん新人が出て、またジャンルの括りが難しくなるぐらい混沌としていくだろう。その大きな流れにきちんと自分を見失わず、面白いものは本当に面白いんだと正当に評価する冊子になって欲しい。

No.1 3点 江守森江
(2010/06/05 04:26登録)
毎度のごとく年刊雑誌なので一律の3点。
海外翻訳ランキングには興味なし。
この年は歌野晶午「葉桜の季節〜」に尽きるだろう。
それでも、作家ランキングは伊坂、横山が上位だし、作品ランキングも多方面な作品がランクインして守備範囲の広い「このミス」らしさが出ている。
最近ではミステリーに軸足のない伊坂や石田衣良をインタビューで取り上げているのも「このミス」らしい。
それでも、今となっては当時を懐かしむ一資料でしかない(図書館に揃っているのに誰も貸し出ししない事が如実に物語っている。

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