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ミステリの祭典

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このミステリーがすごい!2003年版
別冊宝島編集部編

作家 雑誌、年間ベスト、定期刊行物
出版日2002年12月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 3点 江守森江
(2010/06/05 04:09登録)
毎度のごとく年刊雑誌なので一律の3点。
こちらも毎度のごとく海外ランキングには興味がない(基本的に原書の出版と翻訳時期のギャップは拭い去れない)
元々購入せず、この当時はランキングの立ち読みすらしていないので、私にとっては図書館で当時の流行を眺めるために存在する一資料でしかない。
現実の司法制度に絡む問題で直木賞を逃した横山秀夫「半落ち」が1位なのが「このミス」らしい。
収録の一編程度ならよかったが全編を読むのがキツかった乙一「GOTH」が2位は微妙。
作品自体は嗜好と合わないが作家の上位2人は納得できる。
「本ミス」も同様だが復刊作品のランクインには疑問を呈しておきたい!
この年から自前の新人賞「このミス大賞」が始まり、同様な新人賞であるメフィスト賞とその受賞者・古処誠二インタビューを掲載して対比させ売り込む小賢しさは如何ともし難い。
※この本(’03版)最大の見所(←読み所ではない!)
今では帽子を被った写真しか掲載されない二人の禿(ハゲ)人(2chのスレタイ)こと綾辻行人&二階堂黎人の無防備な写真が隠し玉コーナーに掲載されているので比較するのも楽しい!

No.1 8点 Tetchy
(2010/06/03 21:44登録)
横山秀夫ブレイクの年。ランキングは本格も入り混じってなかなか面白い結果になった。伊坂幸太郎が『ラッシュライフ』で初ランクイン。この頃はまさかこんなに売れっ子になるとは思わなかったけどね。
海外は今なお1冊のみ刊行されているドロンフィールドの『飛蝗の農場』が1位。ポール・アルテ初翻訳の年でもあった。
古典もレヘインとかランズデールとかの有力作家も入り混じって結構盛況。

毎年こういう年末のミステリのランキングはどれをとっても不満が残る。
というのもやはりアンケート回答者の新し物好きの傾向が顕著だからだ。
昔からのミステリ・ファンとしては島田荘司はもっと上位に行って欲しいし、真保裕一や折原一はランキングして当然だと思うし、P.D.ジェイムズやゴダード、ヒルやレンデルももっと評価されていいはずなのだ。これらがどうにも過去に全盛を迎えて今は落ち目の作家という風に目に映るし、作家の使い捨て状態だとも思われるのだ。
今になってみればジャンルの違う作家を同列に並べて評価する行為を嫌った作家、評論家の気持ちがよく判る。しかし、内容はミステリ好きには堪らないムックであることはこの年も証明された。今後は好きな作家がどの位置に復活しているのかを確認するために毎年購読していくのだろうな。

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