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ミステリの祭典

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未亡記事

作家 佐野洋
出版日1961年01月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 6点 nukkam
(2025/08/23 19:55登録)
(ネタバレなしです) 「新聞社殺人事件」のサブタイトルを持つ1961年発表の本格派推理小説で、この作者らしく派手な展開はありませんが第9章以降の謎解き推理はなかなか力が入っています。新聞社の政治部長が急死したと家族から電話連絡が入ります。ところがその後の確認で家族はそんな連絡はしていないことがわかります。単なるいたずらかと思いきや、政治部長は線路で轢死体となって発見されます。遺体は頭部が頭蓋骨を粉砕され、手も潰されて指紋を確認できない状態でした。そして事件前に政治部長と会っていた男が失踪していることもわかります。主人公の新聞記者が探偵役ですが、社内の人間関係のもつれもあって「誰が犯人であってもいい」と何度も投げやり気味になるのが印象的です。幕切れも鮮やかです。

No.1 5点 kanamori
(2012/03/22 20:26登録)
地方新聞社を舞台にした初期の本格ミステリ。
タイトルは”実際は死んでいない人の死亡記事”というぐらいの意味です。

長編ながら正味3時間ほどで読めるお手軽さはいいが、やはり物足りない感は否めない。
いわゆる「顔のない死体」をメインにしながら、ひとヒネリした展開ですが、今やこのパターンで意外性を捻出するのはむずかしいのではと思います。ただ、事件の前の”政治部長の妻”から新聞社への虚偽電話の真意は面白い。

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