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ミステリの祭典

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陽の翳る街

作家 仁木悦子
出版日1982年05月
平均点5.50点
書評数2人

No.2 5点 nukkam
(2024/11/06 20:32登録)
(ネタバレなしです) kanamoriさんのご講評で紹介されているように、仁木悦子(1928-1986)は晩年まで執筆活動を続けましたが全部で12作書かれた長編ミステリーに限定すれば1982年発表の本格派推理小説である本書が最終作です。推理小説が三度の飯より好きという、ご近所関係の男女四人が集まって作った「モザイクの会」のメンバーたちが偶然遭遇した殺人事件の謎解きに挑戦するプロットです。非常に複雑でしかも雲をつかむような謎解きで、被害者の素性が曖昧なため人間関係もはっきりしないままに登場人物が増えていくので登場人物リストは作ることを勧めます。容疑者の中には直接描写されないのもいるのでますますとらえどころがないのですけど。戦時中のエピソードが語られたり19年前の三重殺人事件が絡んだりと複雑性は加速し、ついには四人の足並みが乱れるなど私の凡庸な頭には手強すぎる作品でした。

No.1 6点 kanamori
(2010/05/17 21:27登録)
世田谷のある商店街の住民4人でなる推理小説研究会<モザイクの会>が巻き込まれる殺人事件、著者最後の長編ミステリ。
殺人被害者の失われた過去の謎が核で、商店街の多くの住民たちを描きながら、意外な人間関係の繋がりで最後にきれいにまとめています。
いつもながらのハートウォーミングなミステリで、読後感はいいです。

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