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ミステリの祭典

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しのびよる月
御茶ノ水警察署シリーズ

作家 逢坂剛
出版日1997年11月
平均点5.00点
書評数2人

No.2 5点 E-BANKER
(2014/08/15 23:28登録)
御茶ノ水署生活安全課二係、斉木斉と梢田威の元同級生コンビが大暴れするシリーズ第一弾。
神田神保町や御茶ノ水界隈なんて警察小説の舞台に合わないような気がするのだが・・・

①「裂けた罠」=泥酔し警察署に連れ込まれた男と、同じ時刻に起こった殺人事件。そこにマニアックなお店を経営する男が絡んできて・・・。その後も登場する刑事課・辻村警部と三人が事件を解決する。
②「黒い矢」=夜の御茶ノ水で突然ボウガンで肩を撃たれた女性。街には夜頻繁に暴走族が徘徊していた・・・。捜査の途中で意外な人物の関わりが明らかになる。
③「公衆電話の女」=“公衆電話”という言葉自体に懐かしさを覚える・・・。公衆電話を掛けている男性に誘いをかける女性、斉木たちに連行された女性は、なんと「じゃんけんをしようとしただけ」というとんでもない言い訳をしてくる!
④「危ない消化器」=消化器の中身を詰め替える業者、っていう地味な存在にスポットを当てた一編。業者の美人社員が気になる梢田だが、意外なラストが用意されている。
⑤「しのびよる月」=いわゆるストーカーをテーマとした作品。この頃からストーカーなんて存在がクローズアップされてきたんだろうなぁという感想以外思い付かない。
⑥「黄色い拳銃」=小川町にある美味しい中華料理店。そこで食事をしていた二人なのだが、突然拳銃強盗が押し込んでくる! しかも武器は黄色く塗られた拳銃・・・。これもラストは意外といえば意外。

以上6編。
逢坂剛ってこんな軽~い小説も書くのね、っていうのが感想。
読者に挑戦するというようなスタイルでもなく、ただストーリーの進行に身を任せればよい。
そういう意味では、のんびり読むのに丁度いいのかもしれない。

ただ、ちょっと退屈だったかな。
お笑い系としても、警察小説としてもひとことで言えば中途半端。
(敢えていうならベストは④かな。あとは特になし)

No.1 5点 kanamori
(2010/05/15 16:26登録)
御茶ノ水警察署の斉木&梢田コンビのユーモア連作警察小説、シリーズ第1弾。
小学生時代の同級生でいじめっ子、いじめられっ子の関係にあった二人が、同じ警察署で上司部下の立場が逆転というシチュエーション・コメデイの設定が面白い。まあ、気軽に読めるのがなによりです。

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