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ミステリの祭典

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遥かなりわが愛を
伊勢波警部

作家 笹沢左保
出版日1980年04月
平均点6.50点
書評数2人

No.2 7点 パメル
(2020/07/01 10:06登録)
冒頭からとても奇妙。四国在住の女性から警察署に電話が入り、〇〇の旅館に高野という男がいる、その男から脅迫まがいの電話が掛かってくるので、警察の方から注意してほしいという用件だった。
電話は大宮、中之条、直江津、水沢、一関、仙台、福島、米沢と連続している。しかし犯罪らしきことは起きない。高野とは何者か、女性が警察に連絡する意味は何なのか。謎は深まり惹きつけられる。
犯人が挑戦状を叩きつけ、鉄壁のアリバイを持ち(証人は警部)、殺人のモチーフに歴史ミステリの趣向があり(高野長英登場)、動機に究極の愛の哀しさがある。
ロマン溢れる独特の叙情性と歴史ミステリが加味された本格ミステリ。高野長英に詳しい方は、さらに楽しめる作品。タイトルは秀逸、読後感も爽やか。

No.1 6点 kanamori
(2010/05/14 20:24登録)
警視庁・伊勢波警部シリーズ第1作。
作者の作風の特徴は甘くて暗めのロマンと本格トリックを合わせ持つ所だと思いますが、当シリーズは歴史ミステリの趣向が加味されています。
高野長英の曾孫と称する男からの殺人予告によって幕を開ける正統派のアリバイ崩しで、トリックは単純ながらなかなかのもの。探偵自身がアリバイの証言者という趣向も面白かった。

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