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ミステリの祭典

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新版 大統領に知らせますか?
旧版の登場人物名などを改めて、時代を変更したもの

作家 ジェフリー・アーチャー
出版日1987年09月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 クリスティ再読
(2021/01/20 18:22登録)
そして一人の狂った上院議員が三月十日に議事堂を冒涜しようとしています

「今日、本作」は狙いました。日本では深夜の話ですが、何もないといいですね。

本書の冒頭はまさに、一月二十日、新アメリカ大統領の就任式の日。副大統領から大統領の死によって昇格し、再選された初の女性大統領、フロレンティナ・ケイン。彼女は懸案だった銃砲規制を実現しようとしていた。それに敵対する人々の中で、ケイン大統領を暗殺しようとする陰謀が企まれていた。決行予定は三月十日。FBI捜査官のマークは、その陰謀が偶然耳に入った男の事情聴取に病院に赴いた。半信半疑で支局に戻るのだが、その証人と同室の患者、それに再度聴取に向かった上司と同僚が立て続けに殺された! 背後には上院議員の誰かがいるようだ。マークはFBI長官の秘密の直属捜査官として、黒幕の上院議員の調査を命じられた。しかし容疑者の上院議員の一人の娘と、マークは恋に落ちてしまう。恋人の父が謀主? 「大統領に知らせ」れば、暗殺は回避できても、陰謀の徒党は分からずじまいになる...果たして暗殺計画を阻止し、黒幕を暴くことができるのか?

という話。マークの側をメインにたまに犯人側、そしてターゲットの大統領とFBI長官の側も描写するタイプの小説。手に汗握る緊迫したサスペンス...と言いたいところだけど、実は、緩め。ウンチク小ネタが多くて冗長、お約束の連発で、あたかも小洒落たTVドラマを見ている感覚。とくに恋愛描写はのんき。まったり楽しむくらいなら上出来。

とはいえね、本作(新版は1987年出版)の事件設定は1999年らしい。だから現実ではクリントン二期目に相当するそうだ。1987年時点の作者の予想では、21世紀にはとっくに女性大統領もアメリカの銃砲規制も実現している、と思ったからそう設定したのだろうけど、2021年の今に至っても、まだどっちも実現してないのが、本当に不思議なことである。

No.1 7点 あびびび
(2014/02/01 12:56登録)
「英語の分からないウェイター」と指名されて不法入国者がアルバイトであるホテルの一室に行ったが、そこで大統領暗殺の話し合いが行われていた。その不法入国者はある程度英語を理解しており、相手に見破られてしまう。拳銃で足を撃たれながらなんとか逃げのびたその男はFBIに駆け込み助けを求めた…。

そこからFBI捜査官マークとFBI長官のふたりが虚虚実実の駆け引きで大統領暗殺を阻止するが、マークの恋人の父親が首謀者ではないかという疑惑が持ち上がる…。

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