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ミステリの祭典

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ホシは誰だ?
犯人あて推理アンソロジー

作家 アンソロジー(出版社編)
出版日1980年05月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 6点 江守森江
(2010/06/22 08:06登録)
ネタバラシ推理クイズの帝王・藤原宰太郎の本が多数売れて成功した影響で、当時を代表する推理作家陣に推理クイズ小説集を書かせた企画は良かったのだが、知名度から来る期待度と作品レベルのギャップは大きい。
現在、一番入手し易いのは文春文庫版(16編収録)だろうが、オリジナルから土屋隆夫作品がカットされているらしい(そちらは未見なので詳細不明)
企画自体が好きなので無条件に6点としたが、作品のデキはネタバレの無い藤原宰太郎の推理クイズといった感じで褒められない。
さらには(現在では間違いと認識されている等)書かれた時期の世間常識を考慮しないと正解に到達できない作品まであり隔世の感を禁じ得ない。
その意味では都筑のSF設定な作品なんかは時代に左右されずに良いのかもしれない。
もう少し推理クイズでなく小説寄りだったら良かったかもしれず惜しい。
逆の意味で、少々の穴や古さも推理クイズと割り切り、緩〜い気持ちで楽しめば気にならない。

No.1 6点 kanamori
(2010/05/21 20:19登録)
ちょうど30年前の昭和55年に編まれた犯人当てミステリの競作アンソロジーで16編収録。
当時の本格系作家オールキャストといっていい執筆陣ですが、各問題編が15ページほどなので、ものたりない感じもします。
陳舜臣「新・黄色い部屋」は、手掛かりが面白いが犯人当てとしては簡単すぎる。都筑道夫「夢の完全犯罪」はSFの設定自体が仕掛けになっていて巧い。島田一男「執念の島」はアリバイ&殺人トリックが凝っている。飛鳥高「分け前」は犯人絞り込みのロジックが良。鮎川哲也の鯉川先生ものはユーモアミステリとしは合格点。
菊村到「追悼パーティ」は犯人当てミステリとしては掟破りですが、その分一番意外性がある。
その他、三好徹、結城昌治、笹沢左保、戸板康二、海渡英祐、佐野洋など、それぞれの持ち味が出た作風で楽しめました。

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